ビキニを着た女性モデルばかり!サーファーの監督が女性サーファーを撮った理由
アメリカ西海岸で活躍する女性サーファーたちを描いた新作ドキュメンタリー『イット・エイン・プリティ(原題) / It Ain’t Pretty』について、ダイラ・ソウル監督が4月10日にE-mailインタビューに答えた。
長年、サンフランシスコのマーベリックスやオーシャン・ビーチで、怪我をしながらも果敢にビッグウェーブ・サーフィンに挑戦する女性たちの日々の生活を追いながら、彼女たちが新世代の少女たちにサーフィンを通して女性としての強さを教育していく姿を描く。
「ステイシー・ペラルタ監督の『DOGTOWN & Z-BOYS』や、世界的なサーファー、レイアード・ハミルトンが出演したデイナ・ブラウン監督の『ステップ・イントゥ・リキッド』などに影響を受けた」というソウル監督は、製作意図について「これまでメディアや映画、さらに雑誌などのサーフィンの写真では、男性ばかりが取り上げられてきた。たまに女性の写真を見ても、大抵は(セクシーな)ビキニを着た女性モデルがサーフボードを持っているものばかりだった。男性と対等にサーフィンを試みる真の女性サーファーたちや女性サーフィン文化を捉えた映画は数作品しかなかった。そこで、『あなたが望む世界がなければ、(自分で)想像して作れ』という哲学に従うことにした」と明かした。
ハワイのカウアイ島で育ち、自身も子供の頃からサーフィンをしていたというソウル監督は「その頃からサーフィンがわたしの人生の一部になった」と語り、「一度サーファーになると、自分が切望する海とのコネクションを毎日感じ、海がわれわれ(サーファーたち)を形成し、崇高な精神と海のように青く澄んだ心を与えてくれた」とハワイの海に感謝した。
今作が映画化するに至った経緯について「現在は、オーシャン・ビーチに住みながらサーフィンをしているわたしは、2、3人の女性サーファーを製作前から知っていて、彼らにインタビューするうちに、女性サーファーを描いたドキュメンタリーの製作の話が広がったの。すると、ある冬の日に世界的に有名な女性プロサーファー、ビアンカ・ヴァレンティと出会い、彼女から他のトップレベルの女性サーファーたちを紹介されたの。今作では3年間ビアンカを追っていて、その間に彼女がカリフォルニアのベスト女性サーファーに登りつめる過程とスポンサーを手に入れるまでを捉えられた」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)