東出昌大のあまり他ではしない話 「ごちそうさん」妹役・高畑充希とのつながりにジーン
俳優の東出昌大が16日、池袋の東京芸術劇場で行われた第26回日本映画批評家大賞授賞式に出席、同席していた女優・高畑充希との思い出を明かした。1991年に設立された本賞は、映画評論家の故・水野晴郎さんが、故・淀川長治さん、故・小森和子さんら評論家仲間に呼び掛けて始まった賞で、今年で26回目を迎える映画賞。東出は、天才棋士・羽生善治にふんした映画『聖の青春』の演技で助演男優賞を獲得した。
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壇上に立った東出は、「あまり他ではしない話をしたいと思います」と前置きすると、「先日、日本アカデミー賞の会場でも高畑充希ちゃんと顔を合わせることができたのですが、僕らは3年前までは『ごちそうさん』というテレビドラマで、きょうだい役をやっていました。『ごちそうさん』の放送が始まる前、大阪の淀川に自転車でこぎ出して、たこ焼きだったり、コンビニのおにぎりを買って、川辺で釣れるか釣れないかわからない釣り糸を垂らしながら、くだらない話をしていて」とそのつながりを説明。
さらに「彼女は今日新人女優賞を受賞しました。それ以降、僕は1つか2つ共演させていただいたのですが、本当にすばらしい女優さんだということは前から知っていました」と続けた東出は、「ただ、今日こうやって会場で会えると、あの頃に戻れる。こういう栄誉ある賞をいただけると、自分が何者かになれたんじゃないかとか、なってしまったんじゃないかという危機感を抱くんですけども、本当にあの頃は何者でもなかったし、実際のところ、今でも何者でもないんだと思います」としみじみ。
そして「役者になって、5年たちました。たった1回目の俳優人生なので、経験則から語れることがなくて。今後どういう役者になるのかというのは、予測と、若干の希望的観測からしか予想は立たないのですが、謙虚な気持ちと、日々を感謝する気持ちを持って、今後ともおごりを持たずに進めればと思います」と続けた東出は、「映画の現場が大好きです」と思いの丈を語ると、「ただ毎回、どの作品でもクランクイン前日は胃が痛くて、なかなか晴れやかな気持ちで現場に入れることがなくて。それが良かったのか悪かったのかわからないんですが、全力ではあったとは思うので、今後とも全力で銀幕に存在したいなと思います」とも話していた。
一方の高畑は、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の演技で新人女優賞(小森和子賞)を獲得。選評として「女の子のかわいらしさとか、弱さ、そしてずうずうしさや腹黒さを見事に見せてくれました。いつまでもこの輝きを保って、大女優に育ってほしい」という言葉を受けた高畑は、「わたしの人生に一度の初主演作がこの作品で良かったなと思います」と切り出しつつも、「これからも輝けるように、腹黒く頑張っていきたいと思います」とちゃめっ気たっぷりに付け加え、会場を笑いに包んでいた。(取材・文:壬生智裕)