362万円落札の「ハリー・ポッター」直筆短編が盗まれる…J・K・ローリングもファンに訴え
人気児童文学「ハリー・ポッター」シリーズの著者J・K・ローリングが9年前、チャリティーのために直筆で執筆し、当時2万5,000ポンド(約362万5,000円)で落札された「ハリー・ポッター」短編前日譚が、落札者の自宅から盗まれていたことが明らかになった。現地のウェスト・ミッドランズ警察が公表した。(1ポンド145円計算)
現地警察は、その希少な直筆原稿は、4月13日~24日のイースターホリデーを挟んだ期間中に、バーミンガムにある落札者の自宅から宝飾品とともに盗まれたと発表。1か月ほど経っても行方がわからず、捜査官のポール・ジョーンシーさんは「(売りに出されて)この貴重な作品を購入するのは、真の『ハリー・ポッター』ファンだけでしょう。なので、ファンのみなさんには売りに出されているのを目にしたら、ぜひとも警察に連絡していただきたいのです」と語り、今回の公表に踏み切ったことを明かす。
同警察署は公式Twitterでも「J・K・ローリング直筆の貴重な『ハリー・ポッター』前日譚が盗まれてから捜査を続けておりますので、ファンのみなさんもどうか協力をお願いします」などと呼びかけた。すると、ローリングもそのツイートに対し、「もし売られていても、買わないでください。もともとチャリティーオークションのために書いたもので、持ち主の方は作家の自由を支援する一環として落札してくれたのです」とファンに訴えた。
英BBCによると、A5のカード両面に800文字ほどで執筆された未題の序章は、主人公のハリー・ポッターが誕生する前、ハリーの父ジェームズ・ポッターとその親友シリウス・ブラックがティーンエージャーだった頃のエピソードを書いたものだったという。(編集部・石神恵美子)