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「昼顔」コンビ、上戸彩&斎藤工の覚悟

蛍、川辺が映画版の重要なモチーフ
蛍、川辺が映画版の重要なモチーフ - (C) 2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社

 上戸彩斎藤工が、互いに既婚者でありながら禁断の恋に溺れてしまう男女を演じた大ヒットドラマの完結編となる映画『昼顔』の公開にあわせ、監督の西谷弘がキャスティングの狙いや2人の俳優としての魅力を振り返った。

【動画】別れから3年後を描く映画『昼顔』予告編

 ヒロイン・紗和役の上戸は、その明るく健康的なイメージから、道ならぬ恋におちる主婦役には意外性があったが、新境地を開拓すると共に確かな演技力を証明してみせた。また、妻を持つ高校教師でありながら紗和を愛してしまう北野を演じた斎藤も、本作への出演で俳優として本格的なブレイクを果たした。そんな二人の俳優を大きく飛躍させた2014年のテレビドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」でのキャスティングの狙いについて、紗和に関してはまず「不倫が似合わないし、絶対にしそうにない人」として上戸にオファーしたところ、上戸から「演じる自信がないし、不倫を肯定できない」と返答があり、「まさにそれが紗和という役柄のスタート地点だったので、この人じゃないとダメだ」と強く思ったのだという。

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昼顔
西谷弘監督

 また斎藤に関しては、彼に注目していたプロデューサーからの推薦だったが、西谷が初めて顔を合わせた際に、「お会いするまでは不安でしたが、静かにコーヒーを飲む姿が自然体でとても好感が持てた。北野先生のイメージに近づけられるかなと思った」そうで、さらには「作品や写真などで見せているかっこよさや色気は、要求に合わせて自分なりに出している」と気付いたことから、斎藤に求められる役に染まっていこうとする覚悟を感じた。

 テレビ版から映画版まで、足掛け約3年にわたって組んできた上戸と斎藤の魅力については、「ちゃんと染まる覚悟があるのが、二人に共通して言えること。役者ならば当たり前と思われるけど、頭も体もゼロにして挑んでくる勇気を持っている」と評価。また、「一つの文学でもある」との思いで「昼顔」の台本を脚本家の井上由美子と作り上げてきた西谷は、「セリフは時にポエムです。でも、上戸さんと斎藤さんが紗和と北野に化けたとき、ポエムは二人の体内からナチュラルな男女の会話として発せられる」と感心する。

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 それを特に感じたというのが、北野が蛍の研究のために訪れている川辺で紗和と語らうシーン。クランクアップ後、水の音が激しすぎた部分をアフレコし直すことになったが、『昼顔』の撮影からは約1か月経っており、私服のまま(上戸&斎藤の)セリフを収録してみたところ「何か恥ずかしくなるくらいに言葉が浮いちゃって、これはダメだなあと」いうことになった。そこで、スタジオのブース内で河原で撮影した際の芝居をしながら録り直してみたところ、見事紗和と北野の声が戻って来たとのこと。

 連ドラから3年空いての撮影だったため、西谷も二人が役に戻れるか少し心配していたものの、実際には細かな説明がなくてもシーンごとの心情を伝えればすぐに理解してくれたそうだ。そうして完成した本作だが、テレビ版当時よりもテーマの受け止められ方が変わっているため、「これほど皆さんの反応が気になる作品はありませんでしたし、楽しみでもあり不安でもあります」と胸の内を明かしていた。(取材・文:天本伸一郎)

映画『昼顔』は6月10日より全国公開

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