好奇心だけで太った!?マシュー・マコノヒーが驚異の役づくりを明かす
オスカー俳優のマシュー・マコノヒーが、ハゲ頭にメタボ腹という驚異の変貌を遂げ挑んだ話題作『ゴールド/金塊の行方』(全国公開中)について、ニューヨークのウォルドルフ=アストリアで行われたジャンケットで語った。
1990年代、アメリカ経済に大混乱をもたらした通称“Bre-X事件”を題材にした本作。鉱山事業に失敗したケニー(マシュー)は全財産をつぎ込んで向かったインドネシアで金鉱を発見する。一躍時の人となったケニーだったが、彼を利用しようとニューヨークの財界を含めた大きな落とし穴が彼を待っていて……。映画『シリアナ』『トラフィック』のスティーヴン・ギャガンが監督を務めた。
ケニーの役づくりについてマシューは「最初からケニーを理解できたね。彼は人生の消費者なんだ。尽きぬ好奇心でお腹がいっぱいなんだよ。実は、僕自身もケニーの観点から物事を見つめる準備をしていたら、いつの間にか体重が増えていて、(いつもの)スボンやシャツが着られなくなっていたんだ。ケニー本人から『もう、始められるね』って言われたよ(笑)」と話す。加えてマシューの父親が石油パイプの供給事業をしていたことも大いに役立ったそうで「父親を知るセールスマン、探鉱者、精力的な実業家などに会って、目のギラギラした精神的にタフな男を作り上げたよ」と明かした。
金の発掘シーンはタイで撮影したそうだが「当初の予定ではモンスーン(雨季)が撮影後に来るはずだったんだけど、例年よりも早く来ちゃったんだ。タイのクルーは雨が降り始める10分くらい前から、その雨量まで予測できるんだけど、ある日『これはでかい』と言い出して、僕たちもセットを離れることにしたんだ。翌日、その場所にカヌーでギャガン監督と戻ったとき、彼が水面を指差して『あの赤いのは何だ?』と言ってきたんだ。よく見たらセットで作られた家屋の屋根だったんだよ」と仰天エピソードを披露した。その後撮影は立て直したセットで再び行われたそうだ。
また、ケニーと妻のケイの関係についてマシューは「彼らには切っても切れない縁があるね。例えばケニーが自分の腰を彼女に掴ませて崖から飛び降るとする。2人の足が地に着く前に、2人が空を飛ぶこと学んでいれば良い関係になれるんだ。でも映画の後半で、彼らはまだ地に足をついてはいないものの、お互いの手も離していない状態なんだよ」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)