ピクサー『カーズ』最新作、亡き名優の未公開音声を使用 ポール・ニューマンさんの声が再び…
ディズニー/ピクサーの人気アニメ『カーズ』シリーズの最新作『カーズ/クロスロード』に、2008年に亡くなった故ポール・ニューマンさんの未公開音声が使用されていることが明らかになった。ポールさんは第1作にドック・ハドソン役で声優出演していた。現地時間10日にアメリカで開催された『カーズ/クロスロード』記者会見でプロデューサーのケヴィン・レハーが語った。
ケヴィンいわく、第1作『カーズ』(2006)のポールさんの音声収録時には、ずっとテープを回し続けていたため、セリフ以外の彼の声も録音していたそう。その音声が時を超えて今回の作品に用いられたのだという。「僕らはとてもラッキーだった。『カーズ』でジョン・ラセターがマイクを回し続けていたんです。わたしたちには、その素晴らしい録音とそれを言葉にしたものがあったのです」。そして今回の映画のためにプロデューサーたちは、その音声を使用することをポールさんの遺産を管理する財団から許諾を得たとのこと。ケヴィンは「ニューマンの財団はとても素晴らしく、わたしたちをサポートしてくれました。彼らはわたしたちがこれ以上ないほどニューマン氏の演技へ敬意を持って扱うことを知っていたのです」とコメントする。
また『カーズ/クロスロード』のブライアン・フィー監督は、本作の内容に即したポールさんの音声ファイルを探すことに苦心したことを振り返る。「何時間にもわたる声から、『何がストーリーを語るのに役立つか?』という点で探したんだ。使えないものもたくさんありました。ストーリーを語るのには役立たないものがね。でも僕らはものすごく幸運だったよ。正しいものを手に入れられたのです」。
さらに今回の会見には、主演声優のオーウェン・ウィルソンや、今作からストーム役の声優として新たに参戦するアーミー・ハマーなども登壇。“メンター(指導者)”がキーワードになってくる本作に絡めて、それぞれのメンターについての話題におよぶとアーミーは「この仕事をしているとたくさんの人たちと仕事をする機会を得ることができて、自分が知らないことを彼らは知っている。だから僕のキャリアにはたくさんのメンターがいます」と回答。一方でオーウェンは、『アンソニーのハッピー・モーテル』(劇場未公開・1996)で彼とウェス・アンダーソンをハリウッドに引っ張り上げてくれたジェームズ・L・ブルックスの名前を挙げた。そしてオーウェンは、今は自身が自分たちの子供にとってのメンターの立場であると話すと「その日によるけれども、今日の僕はメンターだ。今日は子供たちが来ていて、プレミアへ一緒にいくんだ。一緒に見るのはエキサイティングだし、楽しみだし、クールな経験だよ」と親としての表情ものぞかせていた。(編集部・井本早紀)
映画『カーズ/クロスロード』は7月15日より全国公開