アフレコ収録時にはマイクも運ぶ!ディズニー“音”のこだわり
『モアナと伝説の海』マウイ役のドウェイン・ジョンソンなど、世界を駆け巡る俳優たちが声優出演するディズニー・アニメーション・スタジオ作品。同スタジオはアメリカ・バーバンクに位置しているが、アフレコ収録のためボストンやマイアミ、ときにはニュージーランドなどへスタッフ、そして“マイク”が飛び回るのだという。録音技師のガブリエル・ガイが語った。
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今回の『モアナ』では、モアナの両親の声のレコーディングはその俳優陣が住んでいたニュージーランドで、ドウェインの収録は他映画の撮影で各地に飛ぶ彼のもとに出向くという形でアフレコが行われたという。またバーバンクのスタジオのほか、マイアミやボストンでアフレコを行う際にはほぼ毎回、監督たちも声優と一緒に録音ブースに入り、そこで直接指示を出していたとのこと。
アフレコ収録は、1回につき約3時間。ガブリエルは、「声を務める俳優さんたちにとっては非常に緊張感が続く、強烈な時間になるわけです。だからそんなに長い時間は続けられません」と説明する。しかしもちろんその例外もある。「ドウェイン・ジョンソンは彼自身が忙しくて時間がなかったので……もっと長い時間録音を続けましたよ。6時間くらいでしょうか。それに彼は肉体的にも強いですからね(笑)! 録音の合間には、チキンとブロッコリーとか食べていましたよ」とのこと。
さらにディズニーは収録環境にもこだわる。ディズニー以外でアフレコ収録をする際には、その収録スタジオにディズニーのスタジオと同じマイクがない場合には、わざわざバーバンクから持っていくこともあるんだとか。「録音だけでも、自分たちのやり方を徹底するための『やらなければならないこと』の長いリストがあるんです。ベストの状態で映画制作をするために徹底しています。僕らが目指しているのは最高のクオリティーですから」。
そして収録された音声ファイルは『モアナ』だけでも、おおよそ3万バージョンを超えるほどなのだそう。ガブリエルは、『モアナ』制作時を振り返り、「同じセリフを違うバージョンで録音して保管しています。編集室に行った段階で監督が使いたいバージョンが必ずあるようにするんですね。いくつかのファイルの声を少しずつ取って、1つのセリフにする場合もあるんですよ」とコメント。うーん、ディズニーのこだわりは音にもあり。(編集部・井本早紀)
『モアナと伝説の海』は6月28日より先行デジタル配信開始、7月5日よりMovieNEXが発売(税抜き価格:4,000円)