エドガー・ライト待望の新作!『ベイビー・ドライバー』製作秘話
『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などのエドガー・ライト監督が、新作『ベイビー・ドライバー』(8月19日 日本公開)について主演アンセル・エルゴートと共に、6月27日(現地時間)ニューヨークで行われたAOL開催のイベントで語った。
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本作は、音楽に乗って天才的なドライビングテクニックを発揮する“逃がし屋”の活躍を描いたクライムアクション。強盗犯の逃走を手助けする逃がし屋のベイビー(アンセル)は、子供の頃の事故の後遺症で耳鳴りに悩まされながらも、自身が作成したプレイリストをiPodで聞くことで外界を遮断し、驚異の運転能力を発揮していた。ある日、運命の女性デボラ(リリー・ジェームズ)との出会いを機に、裏社会から足を洗おうとするが……。 ジェイミー・フォックス、ジョン・ハムらも出演している。
ノリの良い音楽と共に迫力のカーアクションが繰り広げられる本作。脚本とサウンドトラックのどちらを先に渡されたのかと聞かれたアンセルは「実は撮影前、ライト監督とは音楽についてだけ話し合って、映画のことは全く話し合わなかったんだ。でも彼から『脚本には、君が気にいるような音楽に関連した内容を記した。主人公の役柄が君に適しているかもしれないから読んでみてくれ!』と言われたんだ」と明かす。その後ライト監督から、脚本を読みながら音楽も聴けるiPadのアプリが送られ、それを通してシーンを想像したそうだ。
劇中には、ベイビーが強盗犯たちにコーヒーを買って戻ってくる長回しのシーンがあるが、これについてライト監督は「オープニングでベイビーがすご腕のカーチェイスをするが、次のシーンでは彼がコーヒーを買ってくる。そこで、使い走りでもあることがわかるんだ。あれは撮影初日に撮ったんだけど、脚本を読んだ製作者に『なぜこのコーヒーを買うシーンが必要なのか』と聞かれて、『そのシーンをステディカムでワンショットで撮影するからだ』と答えたら『良いアイデアだ』と理解してくれたよ」と撮影を振り返った。
ベイビー役についてアンセルは「ベイビーは最初にボスと犯罪グループに会ったとき、シリアスで静かだった。でもその犯罪グループが銀行に入った瞬間、車内で歌ったり踊ったりする。そして家に戻ると、またシリアスな状態に戻るんだ。誰にでもシャイな部分はあって、自分は特定のグループに属していないと感じることもあるよね」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)