ジェレミー・レナー&エリザベス・オルセンがバディに!『最後の追跡』脚本家の初監督作
映画『ボーダーライン』『最後の追跡』の脚本家として注目されたテイラー・シェリダンの初監督作『ウィンド・リバー(原題) / Wind River』について、エリザベス・オルセンとジェレミー・レナーが、8月2日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
本作は、ワイオミング州のネイティブ・アメリカンの居留地で起きた殺人事件を新人FBIエージェントと地元のハンタートラッカーがタッグを組んで捜査していくクライムミステリー。野生動物を保護する組織「米国魚類野生生物局」で働くコリー(ジェレミー)は、ウィンド・リバーで凍りついた若い女性の遺体を発見する。現場には、新人FBIエージェントのジェーン(エリザベス)が捜査に送り込まれるが、従来のFBIの捜査上の権限がこの居留地では行使できず、さらに極寒の地での捜査が混乱を招いていく。
主人公のコリーについてジェレミーは「ハンタートラッカーとは、野生の動物の食物やその蓄えを調べている人物のことなんだけど、彼はこの居留地で白人として唯一許されたハンタートラッカーであり、『米国魚類野生生物局』のエージェントとしてこの居留地で働いている人物なんだ。過去に悲劇を抱えていて、映画内でもその悲劇が後に明かされていくんだよ。映画の冒頭では、そんなコリーがアメリカライオンの足跡を追っていた際に死体を発見し、エリザベス演じるFBIエージェントのジェーンが来て、タッグを組んで殺人事件を解決していくんだ」と説明した。
FBIエージェントの役作りについてエリザベスは「特にリサーチはしなかったの。でも、元警官と一緒に武術などの訓練をして、(アクションを想定した)シミュレーションを行ったわ。撮影現場のユタ州では、イラクでグリーンベレー(米陸軍特殊部隊)だった帰還兵と、銃の訓練をこなしたのよ。だから、FBIとは少し異なった観点での準備をしていたのかもしれないわね」と答えた。あくまでそのような訓練を積んできた彼らの気質を、FBIエージェントとして組み込むことが彼女の目的だったそうだ。
それでも撮影現場では困難を強いられたようで「道さえない場所でトラックや車もなく撮影をしていたから、スノーモービルやスノーキャット(雪上車)で現場に行き、撮影機具でさえもそれらで運んでいたの。わたしはこれまで寒い場所や高地などで病気になったりで衰弱しやすかったりしたから、撮影当初は神経質になっていたのだけど、いざ行ったら雪の現場を好きになったわ。(積雪があるため)クルーはできる限り撮影を早く終わらせることを心がけてくれていたしね」と振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)