約20年ぶり!劇団ひとり『トレインスポッティング2』完全再現!
お笑い芸人の劇団ひとりが、映画『T2 トレインスポッティング』のユアン・マクレガーふんするレントンら4人の登場人物になりきるポスター撮影にひとりで挑み、その笑撃(!?)のビジュアルが公開された。
これが20年前!劇団ひとり版『トレインスポッティング』【写真】
1990年代のミニシアターブームの金字塔とも言うべき1996年の大ヒット作『トレインスポッティング』。その21年後の物語を描き出すために、ユアン・マクレガーらオリジナルキャストが集結したのが、続編となる映画『T2 トレインスポッティング』だ。今回、同作のブルーレイ&DVDリリースを記念し、劇団ひとりが文字通りひとりで、4人の登場人物(レントン、シック・ボーイ/サイモン、スパッド、ベグビー)になりきった。
実は今をさかのぼることおよそ20年前。当時、お笑いコンビ・スープレックスを組んでいたひとりは、1998年に発売された雑誌「犬田号」のグラビア特集企画の一環として、当時の相方と一緒に『トレインスポッティング』の登場人物になりきる写真撮影を行ったことがあった。それを踏まえ、21年の時を経て帰ってきた映画の登場人物同様、“ひとりもこの企画に帰ってきた!”というのが今回の趣旨である。
この企画を受けて、「20年くらい前にやっていたことも忘れていたんで、うれしいですね。懐かしいです」と満足げなひとり。前回では、もともとは「あぶない刑事」のパロディー写真を撮ろうという企画をスープレックス側で提出し、その企画が決まりそうになったところに、ひとりが「ちょっと待ってください。それじゃ当たり前すぎる……。それよりも『トレインスポッティング』のコスプレはどうですか? ああいう映画はね、古くならないんですよ。僕には分かるんです」と提案したことで実現。そんな“未来を選んだ”結果として、そのグラビアがこうして20年近く経って再注目されたわけなので、先見の明があったというべきだろうか。
「なかなかいいセンスしているんじゃないでしょうか」と自負するひとりは、「この頃は20歳くらいの時ですから、映画を観た直後くらいでしょうね。それで、感化されてやってましたね。レントンのTシャツとか、衣装もたしか自前で用意できるものを着たような記憶があります」と述懐する。そして年月を経て復活した続編についても「面白かったですよ。相変わらずバカで救いがなくて。ちっとも成長していない。トレスポらしい。20年後になるといい話にしようとしたがるものですけど、でもこれはそんなにいい話じゃない。そこがいいですね」と笑顔。
写真を撮影した当時を「下積みだったと思いますね」と振り返るひとり。「この頃は芸能界に風穴を開けてやろうと息まいていましたからね。(ビート)たけしさんになってやる、天下をとってやるくらいの気持ちでやっていましたからね」。この20年近い芸能生活の中で、ターニングポイントとなったのは、スープレックスを解散し、ピン芸人になった頃だったそうで「この写真を撮った数年後にはコンビを解散することになるんですけど、当時は相方に逃げられてショックで。路頭に迷っていましたね。僕としては今後もコンビを組むことしか考えていなかったんで、だったら休もうかなと思っていた」とも明かす。
しかし、こうしてピン芸人としてやってこれたことで、「やはり自分の技量も分かってくるし、たけしさんにはとてもじゃないけど追いつけない。今は細く長く、という気持ちで生きていますから。波風をたてず。3番手、4番手でやっていけたら。今から20年後は渡辺正行さんくらいのポジションでいられたら大満足です」と笑ってみせた。(取材・文:壬生智裕)
『T2 トレインスポッティング』ブルーレイ&DVDは9月6日より発売開始