夏木マリ、撮影中のいじめを告白「死のうと思った」
海外ドラマ「フュード/確執 ベティvsジョーン」の試写会付き記者発表会が20日に都内で行われ、吹き替え声優を務めた女優の夏木マリと秋吉久美子が登壇。過去に受けたいじめエピソードも語られ、夏木は強そうと思われがちな反面、実際はナイーブというギャップを明かした。
本作はロバート・アルドリッチ監督の名作『何がジェーンに起ったか?』(1962)の撮影裏で繰り広げられた、ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォードの激しい確執を描いた物語。劇中でジョーン役を演じるジェシカ・ラングの吹替を夏木が、ベティ役を演じるスーザン・サランドンの吹替を秋吉が担当している。
作品にちなんでこれまで経験した確執や失敗も語られたこの日のイベント。その中で夏木は「今TSUTAYAに行くとB級ホラー映画のコーナーに並んでいる」作品として、ハリウッド進出作での大失敗エピソードを紹介。撮影中、ネイティブの発音ができないために激しくいじめられたそうで、夏木は「(セリフを)リズムで覚えているから、一つワードを変えられるとリズムが崩れるのに変えてくるんです。それを変えて、また本番前に戻すので気が狂いそうでした。ハリウッドは向いてないと思って。それで『印象派』というパフォーマンスを始めてヨーロッパに向けて発信するようにしています」と振り返った。
別の作品でも夏木は「ある映画でいじめられて、一度死のうと思ったの。これだけ人間性を否定されたら無理だとホテルの窓を開けたら4階だったので、『これは死ねない』と思って。あれが17階だったら死んでいた。意気地なしで、こういう風に見えるけど意外と違うんです」とパブリックイメージとのギャップも吐露した。
その一方、秋吉も過去に撮影現場で確執に巻き込まれ、誰もあいさつに応えてくれなくなるなど“シカト”されたエピソードを紹介するも、「いじめられると燃えるタイプ」と告白。秋吉いわく子供のころから「トム・ソーヤーの冒険」や「ロビン・フッド」などの本が好きだったそうで、「そういうの(苦難)があると勇気凛々とするタイプで、なんか『うふふ』ってなっちゃうの」と笑顔。これに対して夏木は「女優になるべくして生まれた人ですよ」と驚いていた。(取材・文:中村好伸)
海外ドラマ「フュード/確執 ベティvsジョーン」は9月29日より毎週金曜夜11:00ほか、BS10 スターチャンネルにて放送(9月23日第1話先行無料放送)