謎のスナイパーVS若者たちの死闘!北村龍平監督の超バイオレンスな新作にトロント大盛り上がり
第42回トロント国際映画祭
現地時間15日、第42回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で北村龍平監督の新作『ダウンレンジ』のワールドプレミアが行われ、登場人物たちが血を噴きながら一人また一人と死ぬたびに大喝采が起こる異様な盛り上がりを見せた。
【場面写真】ルーク・エヴァンス×北村監督!『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』
ミッドナイト・マッドネス部門は、その名の通り連日深夜0時から世界のマッドな映画を上映する部門で、北村監督は『VERSUS ヴァーサス』(2000)以来の常連。上映前に「ここへ来るといつもホームに戻って来たように感じる」とあいさつすると観客は大喝采。「16年前、俺は無名で、金も将来もない男だった。それが、コリン(前プログラマーのコリン・ゲディーズ)がクレイジーなファンの集まるミッドナイト・マッドネス部門で上映してくれて、俺のキャリアはロケットスタートを切った。5年前には『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』で戻って来た。これまでの大変な道のりは全てここに立つためのものだ。みんな、本当にありがとう!」とハイテンションに続けて大きな拍手を贈られた。
映画は、アメリカの大学生6人組が乗る車が突然パンクし、人の気配が全くない広大な土地で足止めを食らうところからスタート。他愛のないおしゃべりをしながらタイヤ交換をしていた彼らだが、パンクは銃撃によって引き起こされたものだと判明、一転して謎のスナイパーとの血みどろの死闘が幕を開ける。
車の陰から飛び出すやすぐに狙い撃ちされてしまうため、大学生たちが限られた行動範囲で生きながらえようと知恵を絞るさまが面白く、物語が進むにつれてどんどん(血のりの量と共に)加速するジェットコースターのような展開に、観客は「オーウ↓」「ウェーイ↑」とアップダウンする反応の良さ。脚本は、『フルタイム・キラー』のジョーイ・オブライアンが手掛けた。
前作『ルパン三世』(小栗旬主演)に3年を費やしたという北村監督は、「LAに戻ってから次は何をやろうかと考えていた。同作についてはアジアで成功して誇りに思ったが、とても家族向けのアクション映画で、内なる声が『おまえはどこから来たのか忘れたのか?』と問い掛けてきた。それがどんどん大きくなっていったんだ。俺の答えは『わかっている。俺のホームは血だらけで、ウルトラバイオレンスな映画だ!』ということだった!」と本作を手掛けることになった経緯を明かした。
北米での上映は2018年内を目指して調整中。北米上映後、日本での上映を始める予定だ。(編集部・市川遥)
第42回トロント国際映画祭は現地時間17日まで開催