強くなれた!西野七瀬、乃木坂46での成長
2011年に乃木坂46の1期生として活動を開始した当初は、主要メンバーの一人でありながらも、どこか気弱な印象もあった西野七瀬。しかし2014年にリリースされたシングル「気づいたら片想い」で初センターに抜擢されたことを皮切りにいくつもの曲でセンターを任され、今回「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中のコミックを実写化した『あさひなぐ』(9月22日公開)では映画初出演にして主演を務めた。自身を成長させた乃木坂46について西野が語った。
本作は超絶ドジな元美術部の東島旭(西野)がなりゆきでなぎなた部に入って仲間と出会い、笑ったりぶつかり合ったりしながら成長するさまを描く王道の青春映画。『ヒロイン失格』『トリガール!』などの英勉監督がメガホンを取っており、制作会社は『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』などを手がけてきたROBOT。
主人公の旭は白石麻衣演じる宮路真春に憧れ、「強くなりたい!」という一心でなぎなた部への入部を決心するが、そんな旭を演じた西野自身、「乃木坂46に入った当初は、強い人にずっと憧れていました」と告白する。しかもそれは精神的な強さというより「物理的に、強い人」だという。西野は「戦いに負けない人をかっこいいと思っていたんです。精神的に強い人になりたいという気持ちもあったのですが、そのためにはまず肉体的な強さが必要かなと思って。そこはちょっと、旭ちゃんに近い感覚だったのかもしれません」と続けた。強さを自分のものにするにはまず戦いの世界へ身を置き、心身を鍛えること。それが西野の場合、アイドルグループ乃木坂46だったようだ。
そうして西野は、数々のシングルでセンターを務める主要メンバーへと成長した。そのことについて「この仕事を始めたばかりのころと比べたら、とても強くなれた気がします」と自身の変化に手応えを感じている西野。それはアイドルとしての活動に慣れたことはもちろんだが、「『自信がついてきた』ということかもしれません。小さなことでは動じなくなりました(笑)」という発言が頼もしかった。
アイドルに憧れる女の子はつぎつぎ現れ、乃木坂46にも昨年9月に3期生が新たに加入した。グループ内での競争は日々激化しているだろうが、同時にメンバーは戦いを共にする仲間でもある。その姿もまた、劇中でなぎなた部の中で切磋琢磨し、試合では部員みんなと結束して相手チームと戦う旭と重なる。
原作者のこざき亜衣も「『仲間であり、同時にライバルでもある。』という部活動における武道の性質は、なんだかアイドルに似ているなと漫画を描きながら常々思っていました」と両者の共通点を指摘していた。その言葉に西野は「わかると言えばわかるのですが……。私はあまりライバル視をしないタイプなんです。自分は、自分。人と比べることはありません」と前を向いた。6年間のアイドル活動が、彼女を強くしたのは確かなようだ。(取材・文/浅見祥子)
映画『あさひなぐ』は全国公開中