『キャロル』監督の新作、聴覚障害者役の訓練とは?子役が明かす
トッド・ヘインズ監督の話題作『ワンダーストラック』(2018年4月 日本公開)について主演のオークス・フェグリーが、10月27日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
本作は、1977年、母親の死後、会ったことのない父親に会いにミネソタからニューヨークに向かう少年ベン(オークス)と、その50年前の1927年、憧れの女優リリアン・メイヒュー(ジュリアン・ムーア)に会うためニューヨークに向かう少女ローズ(ミリセント・シモンズ)の時代を越えた交流を描いた注目作。『ヒューゴの不思議な発明』の原作者ブライアン・セルズニックの同名児童小説をヘインズ監督が映画化した。
2度目のオーディションで初めてヘインズ監督に会ったオークスは「彼はとてもクールで面白い人なんだ。すぐに意気投合できて、役も手に入れることができたよ。映画内でベンは聴覚障害者になっていくため、(その準備で)ヘインズ監督と訓練をしたんだけど、それがきっかけで監督との絆を深めることができたね」と語った。訓練ではノイズキャンセリング・ヘッドフォンを付けてニューヨークの街を歩いたそうだが、嗅覚が鋭くなり、視覚的にもより明確に見えたという体験も明かした。
重要なシーンとなるアメリカ自然史博物館が、小さい頃から最も好きな博物館だというオークス。そんな場所での撮影について「これまでアメリカ自然史博物館で撮影した映画の中で、僕らの映画が最も撮影期間が長かったらしんだ。それは素晴らしいことだし、とても名誉なことだね」と話し、自分の世界では見たこともない別世界のものを見ることができるのが魅力なのだと語った。中でも、クジラが展示されているホエール(Whale)ルームが一番のお気に入りなのだとか。ニューヨークでのプレミア後には、そのホエールルームでアフターパーティーが開催されたそうだ。
共演者のミリセントについては「(設定上)彼女のキャラクターは1927年に居て、僕のキャラクターは1977年に居ることもあって、一緒に仕事をする時間はそれほどなかったんだ。でもセットでは、1927年と1977年の両方を撮影することもあったから、現場で彼女と手話で話すことはあったよ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)