クリヘム、ラファロに子守唄を歌いたがっていた!『マイティ・ソー バトルロイヤル』アドリブ秘話
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督とハルク/ブルース・バナー役のマーク・ラファロが取材に応じ、コミカルな本作におけるアドリブ秘話を明かした。(以降、若干のネタバレ有り)
『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』や『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』など小規模ながらハートのあるコメディーの良作で知られた存在だったワイティティ監督。本作は初の大作となったが、全ての点においてこれまで通り仕事をしたと語る。「話し合うことができて、新しいことを試してみたり、掘り下げてみたりすることができるように、セットに緩いところや自由なところがあるようにしたんだ」とアドリブ推奨の環境を作り上げた。
そんな環境で持ち前のコメディーセンスを遺憾なく発揮したのが、ソー役のクリス・ヘムズワースだ。本作の名シーンの一つと言っても過言ではない“子供時代に弟のロキ(トム・ヒドルストン)がヘビに化けて~”というソーの話も実はクリスのアドリブで、ワイティティ監督は「そういう多くのアイデアがクリスのものだったんだ。彼にはとても鋭いウィットがある。僕たちはソーも同じようにしたくて、クリスに『自分自身にもっと近づけてみたら? ありのままでいてみてよ』と言ったんだ。それがうまくいったと思う」と満足げだ。
全てのシーンにアドリブが入っているという本作。ソーがハルクをバナーに戻そうと、「日が沈む~」と『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でのブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)のまねをするシーンに関しても、ワイティティ監督は「クリスが、あの子守唄的なことをとてもやりたがったんだ。ソーがハルクを落ち着かせて、興奮するのを止めようとするなんてとてもおかしいよね」と明かす。なお、少しは効いていたのかと思いきや、ハルク役のラファロは「ハルクは、ソーが殴れるくらい近くまで来るのを待っていたんだと思う(笑)。ソーをおびき寄せていたんだよ(笑)。ガー!」とソーをたたき潰す効果音まで再現して笑っていた。
自らのカラーで俳優とキャラクターの新たな魅力を引き出し、大役を見事に果たしたワイティティ監督は「僕は、自分自身や自分の能力にかなり自信を持っている。でも頭のどこかで『うまくいかなかったらどうしよう』とか『人々が気に入らなかったらどうしよう』と心配せずに映画を作ることは決してできない。僕が学んだのは、もし僕がその映画を好きなら、間違いなく世界には僕と同じ感性を持っている他の人がいる、ということ。きっと誰かが僕の映画を気に入ってくれるということだよ」と振り返っていた。(編集部・市川遥)
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は公開中