丸山隆平、30代で最も変わったのは「人との付き合い方」
関ジャニ∞の丸山隆平が、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016)などで知られる西田征史の監督作『泥棒役者』(11月18日公開)で映画単独初主演を果たした。関ジャニ∞の活動と併行しながら、近年はテレビドラマ「地獄先生ぬ~べ~」(2014・日本テレビ系)や舞台「マクベス」(2016)など俳優としても精力的に活躍。30代になって「俳優として、旨味がある役をいただけるようになった」という丸山が、30代という年代ならではの変化やメリットについて明かした。
2014年に『小野寺の弟・小野寺の姉』で長編映画監督デビューした西田監督とは、2012年の舞台「BOB」以来、約5年ぶり2度目のタッグ。一軒の豪邸を舞台に、さまざまな人物が人違いや勘違いを繰り返しながら騒動を巻き起こす本作で、丸山はかつて泥棒稼業に手を染めたことのある主人公・大貫はじめを演じている。
「すごく緻密に計算された脚本で、登場人物たちがとてもチャーミング。脚本を読んだときは、ヤバい、めっちゃ面白いぞ。これを体現していかなきゃいけないのか……とプレッシャーを感じました」と話す丸山だが、真面目で、ちょっと気が弱く、人が好すぎるはじめの役柄は、丸山の持ち前の愛嬌あるソフトなキャラクターにマッチ。誰が見ても応援せずにはいられない、ハマり役となっている。
はじめが盗みに入る豪邸の家主で、大御所の絵本作家を演じ、丸山と抜群のコンビネーションを見せたのは、ベテラン俳優の市村正親。「今回、市村さんは『僕、スクリーンの中で、ここまで出演シーンの多い作品は初めてなんだ。とても面白い作品だねぇ』とおっしゃっていて。新しいことに挑戦されて、すごく生き生きしている市村さんを見て、僕もいろんなことにどんどんチャレンジしていきたいと思いました」。
30代を迎えて、単独での仕事が増えていっても、関ジャニ∞のメンバーとしての情熱は変わらない。「今まで唯一裏切られなかったのは、ファンだけやなっていう想いが僕の中にあって。アイドルとしての仕事をすごく愛しているし、この仕事に骨を埋めるんだろうなと思い始めるようになりましたね」。一方で、俳優業では「今までできなかったことが、より自由にできるようになってきました。もっともっと自由になっていけばいいな」。
20代の頃と比べたときの一番大きな変化は「人との付き合い方」だ。「以前はプライベートで自分から『ごはん行きませんか?』とは、なかなか怖くて言い出せなかった。どっちかって言うと、連れて行ってもらうことの方が多かったですね。でも、最近は自分から積極的に、いろんな方と会っています。例えば大先輩のミュージシャンで、ベーシストの亀田誠治さんとか。僕としてはちょっと緊張するような方も会ってみると、すごく楽しかったりして」。
「変に肩肘を張って、できないこともやろうとしてしまっていた」20代の頃を思えば、今は「いい意味で、肩の力が抜けた」と感じる。「好きな人には好きだと平気で言えるようになりました。それで、その人と飲みたいと思ったら、夢が叶っちゃったりもするし。なんか、そういう年かな。30代って、いいよねぇ~(笑)」そう素直に言い切れるのは、丸山がいい年を重ねていることの証だろう。
将来的な夢は「常にどこかで必要とされる存在でいること」。そのためには「自分の上限を決めない」ことを心がけている。「食わず嫌いしないように、常に挑戦、常に初心を忘れないようにする。そうやって、いつもワクワクしている人のところに、お仕事って舞い込んでくると思うから」。丸山隆平の可能性は、ますます広がっていくばかりだ。(取材・文:石塚圭子)