『アバター』続編は水中シーンがメインに!驚異の撮影方法
常に革新的映像を追い求めてきたジェームズ・キャメロン監督が、『アバター』の続編シリーズでは水中のシーンがメインになるため、なんと水中でモーションキャプチャーの撮影を行っていることを明かした。Colliderが報じている。
今もなお全世界興行収入1位(Box Office Mojo調べ)の座に君臨している大ヒット映画『アバター』は、地球から5光年離れたパンドラ衛星パンドラにやって来た人間ジェイク(サム・ワーシントン)が、人間とそこで暮らす先住民ナヴィ族の争いに巻き込まれていくさまを描いたアドベンチャー大作。当時まだ珍しかった3D上映も話題となり、日本でも興行収入150億円突破する大ヒットを記録した。
続編の制作は2010年に発表されていたものの、延期が続いており、今年9月下旬にようやく米カリフォルニア州マンハッタン・ビーチにてクランクインを迎えた。現在、続編の2~3作目を一気に撮影中というキャメロン監督は、なんと水中でモーションキャプチャーを行っているそうで、その前代未聞の撮影方法にかなり苦労したことを語る。
「これまでに行われたことがないことだからね、とてもトリッキーなんだ。ほとんどのモーションキャプチャーシステムと同様に、僕たちのシステムは光学ベースと呼ばれ、何百ものカメラで撮影されたマーカーを使用している。問題は水中ではなく、空気と水の間の界面なんだ。そこに動く鏡ができてしまうから。その動く鏡がすべてのマーカーを反射してしまい、偽のマーカーをたくさん作ってしまう。それはミサイルのレーダーシステムを混乱させるために、戦闘機が妨害片を散布するようなもんだ。何千もの偽のターゲットが生み出されてしまうものだから、その問題を回避する方法を見つけなければならなかったよ。そして、解決できたけど。基本的に、水が加わると、10倍も難しくなるね。この問題解決のために多くの馬力、革新、想像力、新技術を投入したよ。どうやって実現するか、今まででおよそ1年半かかっている」。
続編では「アバター・プロジェクト」に参加した前作の主人公ジェイクとナヴィ族の女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)の間に生まれた子供たちが登場することになっており、彼らが初めて水中シーンでの撮影に成功したことも明かす。「莫大な回数のテストを重ねたよ。そして先週の火曜日(14日)に、初めて成功したんだ。あるシーン全体を若いキャストたちと水中で行った。ティーンエージャー6人と、7歳の子が1人いて、全員が水中で演じたんだ。彼らはトレーニングを受けて6か月だ。息を止めて、だいたい2~4分であがってくる。みんな完璧に水中で演技できるんだ。とても落ち着いて息を止めながらね。潜水用の呼吸装置はしてない。それに、本当に良いデータ、美しいキャラクターの動き、素晴らしい顔のキャプチャーを得ることができた」。
キャメロン監督の執念によって実現した水中でのモーションキャプチャーは、どのような映像に仕上がるのか。その続編シリーズには、サム、ゾーイ、シガーニー・ウィーヴァー、スティーヴン・ラングら前作のキャストが続投するほか、『タイタニック』以来、実に20年ぶりにキャメロン監督とタッグを組むことになるケイト・ウィンスレットも参加する。続編シリーズの第2弾は2020年12月18日、第3弾は2021年12月17日全米公開予定。(編集部・石神恵美子)