宮沢りえ、大好きなムーミンの役づくりの秘密を明かす
フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生み出した人気キャラクター「ムーミン」の映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』(公開中)で主人公ムーミントロール役として、劇場版アニメーションに12年ぶりに声の出演を果たした宮沢りえが、役づくりの秘訣を明かした。
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「娘がムーミンを大好きなので、喜ぶかなと思いました」と話す宮沢自身も、子どもの頃からムーミンがお気に入り。母が主題歌をもじって、歌いかけることもあったという。そんな三世代に渡って思い入れのあるムーミン。宮沢は「長く愛されるものには意味がある」と出演オファーを快諾したそう。
どの作品においても、役づくりに余念のない宮沢だが、本作も同様で、ムーミンの生活しているムーミン谷をイメージすることで、「あのお母さんとお父さんに育てられているムーミンの持つピュアさ、冒険心、好奇心、そういうものを大事にした」と自分自身が出演している作品と変わらない役づくりを明かす。さらに「表情が動かない分、自分の声の度合いもどのくらいがいいのか、迷うことも多かった」とフェルトのパペットアニメーションならではの苦労も。それでも、「目がちょっと動くくらいで、物語る。観ている側にすごくイマジネーションを与える」映像に合わせ、結果的にはシンプルさを心がけ、アフレコに臨んだという。
娘さんと一緒に映画を観に行くときは字幕版ではなく、吹替派だそうで、普段から声の演技の大切さは見知っている。「子どもが映画を観て、すごく笑ったり、反応がよかったりすると、心を動かす力を持ってるって、すごいことだなと思います。どんな人がやっているんだろうとクレジットが気になることもあります」とよき母親であると同時にストイックな女優の顔ものぞかせた。
本作の舞台は、クリスマスを迎えるムーミン谷。最後に「クリスマスにはサンタクロースなど、夢いっぱいのイメージがあると思うので、子どもたちには子どもたちの素晴らしい感性で、素直に楽しんでほしい。キャラクターの言葉に、社会的なメッセージが込められていたりするので、大人の方にもきっと響きます。そのバランスが素晴らしい作品なんです」とムーミンの見た目の愛らしさだけではない、世界的に愛され続ける理由を語り、締めくくった。
子どもも大人も楽しむことができる宮沢ムーミン。この冬、誰にとっても、とっておきのクリスマスプレゼントになりそうだ。(取材・文:高山亜紀)