90歳無神論者が初めて死と向き合う!今年9月永眠ハリー・ディーン・スタントン最後の主演作
今年9月に亡くなった、『パリ、テキサス』『レポマン』「ツイン・ピークス」などの名優ハリー・ディーン・スタントンさん最後の主演作『ラッキー』が、2018年3月17日から日本公開されることが明らかになった。
本作は、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』などで名バイプレイヤーとして知られるジョン・キャロル・リンチが、全ての者に訪れる人生の終わりについて描いた初監督作品。神など信じずに生きてきた90歳のラッキーは、今日もひとりで住むアパートで目を覚まし、コーヒーを飲みタバコをふかす。いつものバーでブラッディ・マリアを飲み、馴染み客たちと過ごす。そんな毎日の中でふと、人生の終わりが近づいていることを思い知らされた彼は、「死」について考え始める。子供の頃怖かった暗闇、去っていった100歳の亀、“エサ”として売られるコオロギ。小さな町の、風変わりな人々との会話の中で、ラッキーは「それ」を悟っていく。
現実主義で一匹狼、すこし偏屈なラッキーというキャラクターはスタントンさんの人生になぞらえて当て書きされており、劇中に登場するエピソードはスタントンさんの体験に基づくもの。また、ラッキーの友人として、これまでにスタントンさんの出演作を何本も監督してきたデヴィッド・リンチが出演しており、長きにわたる友人である彼らがまるで素のようなやりとりを繰り広げている。
また、スタントンさんの代表作『パリ、テキサス』にオマージュを捧げたポスタービジュアルも公開され、青い空に少し遠くを見るような主人公ラッキーの表情が印象的なデザインとなっている。米大手批評サイト Rotten Tomatoes では98%(22日時点)という高評価を獲得しているだけに、本作への期待は高まる。(編集部・石神恵美子)
映画『ラッキー』は2018年3月17日より新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開