古川雄輝、3年温めた作品は「一番過酷な現場」
俳優の古川雄輝が26日、TOHOシネマズ日本橋で行われた映画『風の色』初日舞台あいさつに出席。本作でマジシャンを演じた古川は、3年前に撮影された本作の過酷な現場を振り返るとともに、劇中のマジックを指導したMr.マリックやヒロインの藤井武美らとともにマジックを生披露した。
『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督がメガホンをとった本作は、時空を超えた2組の男女が繰り広げる、ミステリアスで幻想的なラブストーリー。古川は、恋人の死という失意のどん底からマジシャンになることを決意した青年・涼、そして事故により行方不明になっていた涼とうりふたつのマジシャン・隆という一人二役を務めている。
満席の観客を前にした古川は、「こんなにもたくさんの方に来ていただいて」と緊張した様子を見せつつも、「撮影が3年前になるので、やっと観ていただけるのがうれしいです。3年たって僕も30歳になりました。本物の氷水に入ったり、今まで撮影した作品の中で一番過酷な現場だったので、この映画の現場を今でも思い出すことがあります。思い出のある作品になったので、うれしく思っています」と晴れやかな顔。藤井も「今日の朝もクァク監督から頑張ってねと連絡があって。監督の分もこの映画の素晴らしさを伝えられたらと思ってきました」と語る。
今回の映画でマジックに初挑戦したという古川は「たくさん練習をして、本当に大変でした」と述懐。そんな古川にマジックを指導したマリックは、「教えたことをがんばってやりこんでくれた。そのままコンテストに出ても優勝できるなと思いました」と称賛。その言葉に会場からは拍手がわき起こった。
そしてこの日は古川、藤井とともに生マジックを披露したマリック。ラブストーリーである本作にちなみ、赤い糸ならぬ赤いロープが用意され、古川がハサミで半分にし、ふたつになったロープをマリックが結んだ。そしてそのロープを古川が持つコップの中に入れ、みんなでハンドパワーを注入して古川がロープを宙に飛ばすと、なぜか結び目がなくなり1本のロープに元通り。「愛のパワーです」と決めぜりふを放ったマリックに、目の前で見ていたはずの古川も「正直、僕らもどうやってやったのか分かりませんでした。投げる瞬間はドキドキしました」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『風の色』は全国公開中