草なぎ剛、3年ぶり舞台に「未知なる自分を追い求めたい」と決意
元SMAPで俳優の草なぎ剛が7日、KAAT神奈川芸術劇場で行われた舞台「バリーターク」制作発表会見に出席、「未知なる自分を追い求めたい」と意気込んだ。この日はKAAT神奈川芸術劇場の芸術監督で、本舞台の演出を務める白井晃、そして共演者の松尾諭、小林勝也も来場した。
トニー賞を受賞した『ONCE ダブリンの街角で』舞台版の脚本や、故デヴィッド・ボウイさんの遺作となったミュージカル「ラザルス(原題)/Lazarus」の脚本などを手がけるアイルランド注目の劇作家エンダ・ウォルシュの戯曲を、白井の演出により日本初公演する本舞台。
草なぎにとっては2015年の「burst!~危険なふたり」以来、およそ3年ぶりの舞台出演となる。「白井さんに声をかけていただいて。松尾さんと小林さんとガッツリお芝居ができるということで、僕自身も久しぶりの舞台で、新しい自分を表現できる作品だとお思いました。海外の作品で難しい描写もありますが、これもまた楽しんで。新しい自分を発見するというか、成長にもつながるでしょうから。未知なる自分を追い求めて舞台に立ちたいと思います」と決意のコメントを語ると、「舞台に立つのはいつも怖いです。緊張しますし。それは一生変わらないと思います」と気持ちを引き締めているようだった。
演出の白井とは、稲垣吾郎主演の舞台「No.9-不滅の旋律-」を観劇した際に面識があった、と語る草なぎは「台本を読んだ時はとても難しい作品だと思いましたけど、普遍的な生と死が描かれているなと思いました。今までやったことがないような舞台で、やったことのない感覚にとらわれたので、とても興味が尽きない内容だと思いました」と述懐。
稲垣から白井演出についてのアドバイスを受けたか、という質問が飛び出すと、草なぎは「吾郎さんはこの舞台をやることを知らないと思います」とコメントし、会場は大笑い。「皆さんの報道で知ることになるか、後でツイートをするので、そこで知ることになるかもしれません。吾郎さんの舞台もすばらしかったので、後で何か吾郎さんからもアドバイスを受けたいと思います」と続けた。そしてテレビ番組で、稲垣が「草なぎ剛は(芝居の)天才」と語っていたというエピソードについてコメントを求められると、「昔、つかこうへいさんの舞台で、すごく僕をほめていただいたことが、皆さんに注目していただける大きなきっかけになった。吾郎さんもつかさんのお芝居をやっていたし、僕のことをすごく褒めてくれるのは本当にうれしいことなので、それをはげみにがんばりたいです」と笑顔を見せた。
3人のキャスティングを熱望していたという白井は「真剣だけど喜劇性も出せて。こんな言い方はご本人を前に失礼かもしれませんが、日常にいても日常感がない方に、永遠に日常生活を繰り返すというこの物語をやっていただきたかった。この人たちがどこにいるのか分からないという非日常性。そこがイメージスタートになりました」と語った。本舞台は、世田谷パブリックシアターとの共同制作となり、白井も「今までは距離的に近い公共劇場同士が一緒にやるのはタブー視されていたけど、一緒にやることで広がりを持てる」と期待を寄せた。なおこの日は、世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎も会見に出席予定だったが、体調不良とのことで欠席となった。(取材・文:壬生智裕)
舞台「バリーターク」は4月14日~5月6日までKAAT神奈川芸術劇場にて上演、5月12日~6月3日まで世田谷・三軒茶屋のシアタートラムにて上演