二階堂ふみのミニ丈ドレスに「WOW!」ベルリンの観客も感嘆
第68回ベルリン国際映画祭
現地時間15日、第68回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門のオープニング作品『リバーズ・エッジ』がお披露目された。上映前には行定勲監督があいさつに立ち、上映後には主演の二階堂ふみ、吉沢亮と共に観客からの質問に答えた。
注目作、話題作が並ぶパノラマ部門に、行定監督は2010年にも『パレード』が選出されている。人のつながりの希薄さをゾクリとするようなすごみをもって描いた同作は、国際批評家連盟賞を受賞している。
今回、そのパノラマ部門のオープニングを飾ることになった『リバーズ・エッジ』を、行定監督は「1980、1990年代に日本のクリエーターに多大なる影響を与えた岡崎京子という漫画家の最高傑作と言われる漫画を映画化しました」と紹介。「舞台は1994年の東京です。翌年の1995年、日本では関西で大きな地震がありました。また、オウム真理教という宗教団体によって地下鉄サリン事件という大きなテロ事件が起こった変革の時期でした。変革の時期の直前に少年少女がどんなことを考え、どんなふうに生きていたかをこの映画は語っています」と時代背景を説明した。
上映後には、二階堂と吉沢も登壇。二階堂のゆったり長く尾を引きながら前面はミニで美脚ののぞくドレスに、「ワオッ!」と感嘆の声をあげる男性観客もいた。劇中では思い切ったシーンも多く、脚のみならず引き締まった裸体も披露している二階堂、吉沢の両人だが、そもそもこの映画のきっかけを作ったのは二階堂だという。
行定監督は「僕らの青春時代に本当に神格化されるくらい影響を与えた漫画なので、映画化することには非常に勇気が要りました。しかし、隣にいる二階堂ふみから、その漫画を今の時代にあえて映画化しないか、今、日本ではどちらかというとわかりやすい映画がたくさんの若い人たちに観られることが多いのですが、もっとショックを与えるような映画になるのではないかという話があって、背中を押される形で映画化することにしました」と始まりを語った。
撮影について二階堂は「いかに演じるかということではなくて、どういうふうにその場所で考え生きるかということが今回の作品では重要なプロセスだったと思います」、吉沢は「監督から演出があったというより、生命力を試されていたなと思う瞬間がありました。インタビューのシーンも心の奥底をえぐられるような質問に、山田という役で答えようとしても自分が出てきてしまう瞬間があったり、刺激的で試されている現場でした」と明かした。
二階堂、吉沢はじめキャラクターの一人一人が生々しくリアルに感じられる映画となった秘密の一端が明かされたワールドプレミアとなった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第68回ベルリン国際映画祭は現地時間25日まで開催
映画『リバーズ・エッジ』は公開中