とんでもなくマジカル!ディズニーワールド近くの安モーテルに住む子どもたちの冒険
“世界で最もマジカルな場所”といわれるフロリダのディズニーワールドではなく、そのすぐ外側にある安モーテルで生活する母娘の日常を6歳の少女の視点で描いた話題作『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』からティーザー予告編が公開され、どこか現実離れしたパステルカラーに彩られた世界観の一端が披露された。
全編iPhoneでの撮影にして、ロサンゼルスの街に暮らすトランスジェンダーの女性たちをポップに捉えた映画『タンジェリン』(2015)で高い評価を得たショーン・ベイカー監督が脚本も担当し、今度は全編35mmで撮影した本作。フロリダのディズニーワールドすぐ近くの安モーテルを舞台に、社会の片隅で生きる人々の日常を、眩いほどの映像美で描き出す。
あどけなさが魅力の主人公・少女ムーニーを演じたのは本作で数々のブレイクスルー賞を受賞した天才子役ブルックリン・キンバリー・プリンス。対する母親ヘイリー役は、なんとベイカー監督によってInstagramで発掘された演技未経験のブリア・ヴィネイトだ。そんな彼女たちを見守るモーテルの管理人ボビーを演じたのは、実力派のウィレム・デフォーで、同役で第90回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。
この度公開されたティーザー予告は、デフォーふんする管理人ボビーと、ロビーで涼みながらソフトクリームを食べるムーニーら子どもたちとのちょっぴりほほえましいやりとりで始まる。真っ青なフロリダの夏空の下、オレンジやアイスクリームをかたどったかわいい外観のお店やパステルカラーのモーテルが立ち並ぶ中で、まるで冒険に繰り出すかのように無邪気にはしゃぐ子どもたちの様子が印象的だ。一方で、そんな子どもたちとは対照的に、周りの大人たちはモーテル暮らしを強いられているという厳しい現実も見え隠れする。いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々は、一体どこへ向かうのか。その続きが気になる予告編となっている。(編集部・石神恵美子)