島内オーディションで選ばれた兄妹の強い眼差し!ベルリンでお披露目
第68回ベルリン国際映画祭
現地時間2月23日、第68回ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門で新潟県佐渡島を舞台にした映画『Blue Wind Blows』の上映後、富名哲也監督と妻でもある畠中美奈プロデューサーが観客からの質問に答えた。
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本作は、行方不明になった父親はバケモノにさらわれてしまったと思っている少年アオ(田中日月くん)とその家族の物語。アオの妹役の田中椿ちゃんは日月くんとは実の兄妹で、母役は内田也哉子。也哉子の父・内田裕也が子供たちの祖父として登場するほか、萩原聖人、森山開次が脇を固める。
愛らしい兄と妹だが、じっと見つめる目のアップが強い思いを感じさせて印象的だ。言葉少なく、表情で多くを語っている。富名監督は「演技もしたことのない島の子供たちだったので(キャスティングは島内のオーディションで決定)、あまりセリフを言わせない形でやりました」と意図を語った。
アオは父親がかつて語ったバケモノの存在を信じている。富名監督は「見えるものと見えないものというテーマで物語が書けたらと思いました」と出発点を明かし、「父親は僕が幼い時に亡くなったため、記憶は無いです。しかし、父は“見えない存在”として家の中に存在していました。そうした環境で育ったので、おのずとそれが出てきたのかもしれないです」と自身の生い立ちに触れた。
畠中プロデューサーは「何から何まで一緒に進めております。監督とプロデューサー、それでいて夫婦なので、思ったことをそれぞれ本当に言い合って、ケンカをしながら、ちょっとでもいい作品になるよう日々努力しています」と公私にわたるパートナーとの映画制作の状況を説明していた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)