「広瀬すずは天才」清水尋也、共演を振り返る
「anone」(日本テレビ系・水曜夜10:00~)「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」(テレビ東京系、土曜深夜0時20分~)と現在2本の連続ドラマが同時に放送中、映画『ちはやふる -結び-』(3月17日公開)、『ミスミソウ』(4月7日公開)の公開も控える俳優の清水尋也。出演作が相次ぎ注目を浴びる彼が、近年続く広瀬すずとの共演を振り返った。
兄の影響で俳優の道を歩み始めた清水だが、デビュー当初は「兄が先にこの仕事をしていたので、逆にやりたくないと思ってしまった。泣いて帰ってくることもあったので、あんなに大変そうなことはしたくないって」と振り返る。けれどそんな彼が俳優業に真摯に取り組み始めるや、「もともと前のめりなモチベーションを持っていたわけでもなく何が正解なのかもわからなかったのですが、作品を重ねるごとに少しずつ実力のようなものがつき、漠然とですが前よりも成長していると実感出来るようになりました」と心境に変化が生じ、彼を取り巻く状況も変わっていく。
そうして『告白』の中島哲也監督による『渇き。』(2014)ではいじめられっ子の高校生に、『ソロモンの偽証』2部作(2015)ではいじめる側の高校生と両極端な演技の振り幅を披露し、若手スターが集結した映画『ちはやふる』2部作への出演を果たす。これが単独初主演映画となった広瀬すずと清水との出会い。『ちはやふる』では広瀬が競技かるたの天才・綾瀬千早、清水が彼女の前に立ちはだかる名門校のかるた部主将・須藤暁人として。「anone」では広瀬が天涯孤独のヒロイン・辻沢ハリカに、清水がハリカのチャットゲームの友人で重い病を抱える紙野彦星として共演している。俳優として共に切磋琢磨してきた広瀬について「相変わらず天才です」と言い切る清水。
「僕自身もそうなのですが」と前置きしつつ、「誰でもきっと、お芝居を始めたころは演じる上で足りない部分が絶対にあるはずなんです。でも広瀬さんは、そこからプラスに転じるスピードがあまりに速い。監督が何を求めているか? この作品で自分がどう見えるべきか? 自分に求められるものを理解した上で、それをどんぴしゃに提供する。インプットからアウトプットまでの時間が短く、本当に天才だと思います」と手放しの賛辞を送る。言い換えればそれは「シンプルに、芝居がうますぎるんです」と続け、「先日も兄とドラマのオンエアを観ながら『21世紀で一番の女優だね』と話していました」と言うから、演者としてのリスペクトは半端な気持ちではないようだ。
そんな彼自身の俳優としての目標が「誰かと似たようなことはしたくない、若干ズレた位置にいたい」というのも興味深い。それは例えば映画やドラマでキャスティングを考えるとき、一人だけふっと名前が浮かぶような存在で、「そこを目指すのは難しいことでしょうけど難しくないと面白くないですよね」という発言も一筋縄でいかない内面を思わせて頼もしい。(取材・文:浅見祥子)