『ハンガー・ゲーム』監督、ジェニファー・ローレンスへのオファーに自信があった?
映画『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのフランシス・ローレンス監督が、ジェニファー・ローレンスと再タッグを組んだ話題作『レッド・スパロー』(3月30日 日本公開)について、2月26日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
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本作は、元CIAエージェントの作家ジェイソン・マシューズの小説が原作のスパイアクション映画。舞台での事故でバレリーナの道を諦めたドミニカ(ジェニファー)は、やむを得ない事情から、ロシア政府直属の諜報(ちょうほう)機関の一員となる。ハニートラップと心理操作で情報入手する「スパロー」と呼ばれるスパイとして育成された彼女は、その力量を発揮する中、新たなミッションとしてロシアの機密事項を探っていたCIA捜査官への接近を命じられるが……。
原作はスパイジャンルを描くには、とても珍しい作品に思えたというローレンス監督は、20世紀フォックスに、原作にあるR指定のハードで残酷なシーンを含める提案をしたという。「彼らはその提案を受け入れてくれたけれど、現在のハリウッドで、それは非常にまれなことなんだ」と監督。だが、20世紀フォックスは、『ゴーン・ガール』『デッドプール』『LOGAN/ローガン』などもR指定で公開しており、それらの確かな成功がローレンス監督の提案を受け入れる要因になったそうだ。
ジェニファーへのオファーについては、「『ハンガー・ゲーム』シリーズで彼女と4~5年に渡りタッグを組んできたものの、正直ジェニファーが今作に出演してくれるかはわからなかったね。もし2、3年前だったら、彼女はこの役を避けていたかもしれない」とローレンス監督。ジェニファーが電話でOKしてくれた時点では、映画の詳細は伝えていなく、脚本を彼女に送った時点でもわからなかったそうだ。それでもローレンス監督には自信があったという。「彼女は僕をよく理解してくれるし、信頼もしてくれるから、そんな状況でも『イエス』と答えてくれたんだ」と笑顔で語った。その後、ローレンス監督はジェニファーの自宅で、セクシャルな内容やバイオレンスが今作を構築するうえで、いかに重要かを話し合ったそうだ。
最も撮影が困難だったというオープニングについては、「あのシーンには特別に書かれた楽曲が使用されていて、その楽曲に合わせたバレエのパフォーマンスがクライマックスに来る設定になっているんだ。その準備のために、ジェニファーは4か月バレエの訓練をして、(映画で使われる)振付を学んで、身体的にも見た目にも的確にバレリーナに仕上げてきてくれた。バレエのダブル(替え玉)は用意していたけれど、彼女の顔を隠してワイドショットで撮影して、クロースアップでジェニファーの顔を写すのは嫌だったから、(ジェニファーが本格的にバレエに挑んだことで)あのシークエンスは、僕にとってはとても満足のいくものになったんだ」と太鼓判を押した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)