松坂桃李、大物女優の引退思い止まらせる?
俳優の松坂桃李と女優の江波杏子が12日、都内で行われた主演映画『娼年』完成披露舞台あいさつに出席。現在75歳の江波は、本作の依頼が来るまで「老女優として看板を下ろそうかなと思っていた」と引退も考えていたというが、松坂との共演や三浦大輔監督の演出下でそんな気持ちも吹き飛んだと告白した。
石田衣良の小説を、舞台でも組んだ三浦大輔監督と松坂桃李のコンビで映画化した本作は、退屈な生活を送っていた主人公が男娼となり、成長していく過程を描く衝撃作。壇上には松坂、江波のほか、共演者の真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、西岡徳馬、メガホンをとった三浦監督が登壇した。
江波は「看板を下ろそうかなと思っているところにこの話がきて驚きました」と切り出すと、「しかも、濡れ場がある。映像だとアップもあって、老女の肌も大きく映される。どうしようって」と松坂との濡れ場を述懐。「ごめんなさいね、松坂さん」と微笑みかけて松坂を恐縮させる一幕も。
だが、たった2日間だったという本作の撮影を経て気分も変わったそうで、「演じているうちに希望に満ち満ちまして、看板を下ろそうかなと思っている気持ちも吹き飛びました」と話して笑顔を見せた。また、三浦監督の独特な撮影手法、演出の厳しさにも言及。「監督の持っている空気感も独特。でもわたしの経験で苦しい作品はきっといい作品になる。今回もそうなっていると思います」と作品の完成度にも太鼓判を押した。
一方の松坂は「僕が携わった作品でこれだけ入口と出口が違う作品は他にない。ただきつかったですね。撮影期間中は明日休みにならねえかな、三浦さんかぜひいて寝込まないかなって思っていました」と撮影を振り返り、「実際に監督は風邪をひいていたけど、現場に来ていて、この人は無敵だなって思いました」と充実した表情で話していた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『娼年』は4月6日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開