鈴木福くん、名匠トッド・ヘインズに英語で質問ぶつける!
子役の鈴木福と鈴木梨央が20日、都内で行われた最新作『ワンダーストラック』の日本公開記念舞台あいさつに出席。2人は、本作の宣伝のために20年ぶりに来日したトッド・ヘインズ監督と対面し、英語と手話をまじえて自己紹介。鈴木福はヘインズ監督から「自分のやりたいことは何かと情熱を追うこと、いろんな映画に出演してチャレンジすることが大切」と直々に役者としてやっていくアドバイスをもらい嬉しそうな表情を見せた。
1977年ミネソタで母親を事故で失いおばに引き取られた少年ベンと、その50年前の1927年ニュージャージーで厳格な父親と暮らしていた聴覚障害のローズが、大切な人を探しにやってきたニューヨークの自然史博物館の中で“驚きと幸せの一撃=ワンダーストラック”に遭遇し、初めてぶつかる人生の壁を懸命に超えようとする姿を感動的に描く本作。
この4月から中学2年生になる鈴木福、鈴木梨央の2人は映画の主人公と同世代となることからゲストとして登壇。ヘインズ監督に対して果敢に英語での自己紹介を決行し、鈴木福が「俳優を続けていきたいけど一番重要なポイントは?」と英語で尋ねるとヘインズ監督は「答えを知っているはず。あなたのことを少し調べたんだけど、これまでにもいっぱい演技をしてきているでしょう」とにっこり。
一方の鈴木梨央は、英語に加えて手話も交えて自己紹介。ヘインズ監督はこのスピーチに驚きの表情で、「(本作ヒロインの)ローズに影響を受けて今日の髪形や恰好をしているって聞いたけど本当? すごくビューティフルだよ!」と絶賛。日本の子役2人に感心しきりで、「日本のリメイク版をぜひこの2人で撮りたい」と申し出る一幕も。
ヘインズ監督は『ベルベット・ゴールドマイン』以来、約20年ぶりの来日。本作ではデヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」が流れるのも印象的だが、「わたしはずっとボウイの大ファン。『ベルベット・ゴールドマイン』の時は曲の権利の問題もあって、ボウイの曲を使わせてもらえなかったんですけど、今回は使うことができた。夢が叶った気分です。夢が叶うまでは時間がかかるものですね」としみじみ。イベント終盤にはその「スペース・オディティ」のアナログレコード盤を両鈴木にプレゼントし、2人を喜ばせていた。(取材・文:名鹿祥史)
『ワンダーストラック』は4月6日より角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開