『トゥームレイダー』今度のララ・クロフトはダーティー!監督が目指した現実感
アンジェリーナ・ジョリー主演で大ヒットとなった話題作が、15年ぶりに『トゥームレイダー ファースト・ミッション』としてリブートされた。主人公のララ・クロフト役には、アカデミー賞女優のアリシア・ヴィキャンデルを抜てき。アンジー版とは全く違った新ヒロインへのアプローチを、本作に大抜擢を受けたノルウェーの映画監督ローアル・ユートハウグが語った。
『トゥームレイダー』は、最高の頭脳と運動能力を兼ね備えた冒険家ララ・クロフトを操作する同名ビデオゲームが原作。2013年に全ての設定をリブートしたゲーム版が本作のベースになっており、トレジャーハンターになる前の彼女が描かれる。
ユートハウグ監督自身、少年時代に1作目のゲームをプレイしていたといい「自宅の地下室で、友達と一緒にパズルを解いたり、アクションに夢中になったよ」と述懐。一方で、「2013年にリブートされたゲームは、ララ・クロフトと彼女のサーガを現代的なものにした。全く新しい、起源となるストーリーだ。だから僕らにとっても、ゲームも昔の映画版も知っている必要がない、独立した映画を作ることがゴールだったんだ」と語る。
劇中のララは、自転車のメッセンジャーとして働く女子大生。総合格闘技のジムに通ってはいるが、命がけで戦った経験はなく、文字通り、ボロボロになりながら初めての冒険を乗り越えていく。
「ララを、転んだらあざや切り傷ができる女性にしたかったんだ。リアルでダーティーな存在にね。だから、撮影でも現実的なアプローチを試みた。アクションシーンでは、最初から振り付けが決まっているように見えないよう、手持ちカメラを多用して俳優に近づいた。ララの目を通して、観客にリアルな戦いを体験してもらいたかったからね。僕らは映画を通して、彼女がロンドンのストリートにいる若きララ・クロフトから“トゥームレイダー”になるのを目にすることになるんだ」。
もちろん、そんな製作陣の思いの実現に大きく寄与したのは、新生ララを演じたアリシアだ。監督は「アリシアは不屈の人だ。本当に、本当に一生懸命で、自分だけじゃなく、クルー全員に最高の仕事をしようと思わせてくれる。その姿勢と演技が合わさり、作品の質も高まる」と称賛を惜しまない。「6か月間も、1週間に5日(の撮影を)やってたんだよ。その間、彼女が休みを要求することは一度もなかった。その強さはスクリーンに現れていると思う。彼女がいかにこの映画に自分を注いだかを観てほしいね」。(編集部・入倉功一)
映画『トゥームレイダー ファースト・ミッション』は全国公開中