いくつ見つけた?『リメンバー・ミー』死者の国バージョンの“隠れミッキー”はガイコツ!
ディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』の美術を担当し、目にも鮮やかな“死者の国”を作り上げたハーレイ・ジェサップ(プロダクションデザイナー)とクリス・バーナルディ(セットアーティスト)が取材に応じ、本作に隠された膨大な数のガイコツのモチーフについて明かした。
【画像】中央に浮かび上がる!コンセプトアートにも隠れガイコツ
1年に1度だけ亡くなった家族たちと会えるというメキシコの祝祭「死者の日」をテーマに、ガイコツ姿の先祖たちが暮らす“死者の国”に足を踏み入れた少年のエモーショナルな冒険を描いた本作。公開からわずか10日間で興行収入16億円を突破するなど、日本でも大ヒットを記録している。
“死者の国”を作り上げるにあたって、クリスは至る所にガイコツのモチーフをちりばめたといい、「ものすごくデリケートに遠方に描かれているものもあれば、わかりやすいものも、本当に至るところにあります。死者の国バージョンの“隠れミッキー”と言っていいでしょう」と表現する。その数は何と、何千にも及ぶという。「多くの場合、1ショットに3~4個、場合によっては20個ぐらいあると思います。まずは入れられるだけ入れておいて、照明を加える段階でそれらを見えにくくしたり、見えやすくしたりしたんです」。
特にガイコツモチーフが多いのは“生者の国”と“死者の国”の窓口となる「ファミリー・リユニオン局」で、ガイコツ型の鉄格子がはめられた窓やランプなどがたくさん! もっと大きなスケールで言えば、主人公ミゲルが初めて“死者の国”の全貌を目にして息をのむシーンで、高くジグザグにそびえる塔と塔との隙間がガイコツの形を作って、そこにガイコツたちの移動手段であるゴンドラが下りてきて目のようになったり、霧や光のちょっとしたニュアンスによってガイコツが浮かび上がっていたりと、趣向が凝らされている。
あからさまではなく、そっとガイコツのイメージを入れ込むというのはリー・アンクリッチ監督からの要望だったそうで、ハーレイは「例えば『カーズ』シリーズには建物に自動車のモチーフを組み込んでいますが、可能な限りわかりやすい形で描かれています。一方、今回の作品では、より繊細なタッチでガイコツのモチーフを扱うことをリーは目指しました。一番わかりにくいのは、多分、地平線にあるやつかな」と明かす。クリスも「それか建造物の中のものでも……。例えば“死者の国”の駅にボードが何枚かあるのですが、そこに骨のモチーフが彫られています。とても注意して探さなければ見つかりませんが、間違いなくありますよ」とヒントを出した。2度目の鑑賞ではガイコツモチーフに注目してみるのも一興だ。(編集部・市川遥)
映画『リメンバー・ミー』は公開中