健太郎、大ブレイク目前!ブームに流されない“無色”な魅力
「これ」という大ヒット作に恵まれたわけでも、いわゆる若手俳優の登竜門と言われる作品を経験したわけでもないが、じわじわとブレイクの兆しを見せる若手俳優がいる。それが健太郎だ。
健太郎は東京都出身、1997年生まれの二十歳。王道的な甘いマスクの王子様系、少し前に流行した塩顔系、昨今話題のジェンダーレス系のどのジャンルにも当てはまらないストレートに魅力的なルックスと、身長179センチというスタイルの持ち主だ。
現在、日本のドラマ・映画界で活躍する20代の俳優の顔ぶれを見てみると、朝ドラや特撮ドラマ「仮面ライダー」「スーパー戦隊」シリーズ、アイドル出身、二世俳優、もしくは、話題作を原作とする少女漫画実写化ものへの出演で注目され、ブレイクするケースが多い。そんな中、健太郎がユニークなのは、そうしたところからの台頭ではないという点にある。
ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち」(2014)で俳優デビュー。2016年には出演作が相次ぐ中、ドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」でチュートリアル・徳井義実が演じた役どころの高校時代、映画『ミュージアム』で小栗旬ふんする主人公の学生時代を演じ、メインの役どころでない場合でもたしかな表現力を見せつけたことから「あの役のあの子は誰?」とネットなどで話題を呼んだ。
そんな2016年から2017年にかけて、人気リアリティー番組「テラスハウス」のスタジオメンバーを務めたことをはじめ、昨年は映画『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』『サクラダリセット』シリーズ、『先生! 、、、好きになってもいいですか?』、ドラマ「グッドモーニング・コール」など、若者がターゲットの作品に多数出演し、若い世代を中心に知られる存在となってきている。その一方、時代ドラマ「アシガール」や「相棒 season 16」元旦スペシャルに出演し、幅広い世代の注目を浴びる機会もあった。
今年3月にはファースト写真集「G健太郎」が発売、4月にはパーソナリティーを担うラジオ「健太郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」、初MCを務めるテレビ番組「ムビふぁぼ」がスタートしたことは、人気のバロメーターでもあり、確固としたキャリアを築きつつあることがうかがえる。こうして、じわりじわりと着実に人気者への登竜門をクリアし足元を固めていることからも、一時のブームにとどまらない息の長い俳優となっていくことを予感させる。
健太郎の待機作としては、映画『ルームロンダリング』(7月7日公開)、『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)、『ういらぶ。』(2018年公開)などがある。中でも、注目なのが西森博之の人気ヤンキー漫画を連続ドラマ化する「今日から俺は!!」(主演・賀来賢人、日本テレビ系10月スタート)。やんちゃな学生を題材にした漫画が原作のドラマと言えば「ごくせん」シリーズ、「ROOKIES ルーキーズ」、映画だと『クローズZERO』シリーズなど、旬の俳優が注目される最たるものでもあり、過去にも佐藤健や綾野剛、桐谷健太など、主演という立ち位置ではないが独特の存在感を放ち後に大ブレイクするスターを輩出してきた。
「今日から俺は!!」で健太郎が演じるのは、メインキャラクターの1人。映画『14の夜』や初主演作『デメキン』などで、すでにヤンキー役の経験のある彼には、劇中で挑んだヤンキー風の歩き方が私生活にも影響してしまい、マネージャーから注意を受けるほどだったという逸話もある。「今日から俺は!!」は、「勇者ヨシヒコ」シリーズや『銀魂』でいま最も熱い視線を注がれる福田雄一が監督・脚本を務めるとあり、注目度も高い。健太郎にとって初参加となる福田組で爪痕を残せれば、今後の彼の活躍に拍車をかけることは間違いない。
これまでに3度共演した人気女優・広瀬すずからは「個人的に彼のお芝居が好き」とブログで紹介された健太郎。本人は過去のインタビューで『ノーカントリー』などのハビエル・バルデムを目標に挙げている。ハマり役はあれど、当たり役と言い切れるものはまだ。さらなる活躍に期待がかかる“無色”の俳優・健太郎のこれからが楽しみだ。(編集部・小山美咲)