「NARUTO -ナルト-」歌舞伎 坂東巳之助ワンピース超え目指す!
4日、都内にて新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」の製作発表会見が行われ、主演の坂東巳之助と中村隼人が、脚本・演出を手がけるG2と登壇。本舞台のキャストでもあり、「ONE PIECE」の歌舞伎を成功させた市川猿之助からの激励ビデオメッセージが上映されると、坂東は「“恩を仇で返す”様な形で恩返しをしたい」と意欲を見せた。
1999年より「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された人気漫画を原作としたこの舞台は、落ちこぼれ忍者のうずまきナルトが忍術修行や敵との戦い、そしてライバルのうちはサスケとの友情を通して成長し、忍者の里のトップ“火影(ほかげ)”を目指すストーリー。坂東はうずまきナルト役、中村はうちはサスケ役を務める。
10歳の頃、祖母から買ってもらった単行本を読んだのが「NARUTO-ナルト-」との初めての出会いだったという坂東は、本作への出演に加え、同世代で共演の機会も多い中村、かつて舞台「江戸の青空 弐 ~惚れた晴れたの八百八町~」で仕事を共にしたG2との再会を「こんなに嬉しくて感動的なことはない」と喜んだ。
一方の中村も、以前「ONE PIECE」の歌舞伎「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」への出演以降、漫画原作の歌舞伎舞台化という新たな試みについて、先輩方より背中を押してもらう機会があることに深く喜びを表しながら「巳之助兄さんとお互い刺激を与えながら舞台を務められたら」と本舞台への思いを語った。
また、今回2人の敵役として立ちはだかるうちはマダラ役を、市川猿之助と片岡愛之助がWキャストとして担当。この日は、2人からビデオメッセージが寄せられ、「ワンピース」で主演を務めていた猿之助は、「『ワンピース』という高い山が立っています。超えてください! こちらも超させないよう立ちはだかりますから」とはっぱを掛ける。愛之助も「2人とも全力でかかってください。私も全力で立ち向かいますから」と激励した。
これを見た坂東は、メッセージ収録の合間に猿之助と対面していたことを打ち上げながら、「(その時は)和気あいあいと話していたんですが、こんなに攻撃的なメッセージを語っていたとは……(猿之助兄さんが)分からなくなった」と笑いを誘いながらも、先輩からのメッセージを素直に喜び「“倒せ”とおっしゃることをそのまま受け取るのであれば、“恩を仇で返す”様な形で恩返しをしたい」と意気込んだ。(取材・文:桂伸也)
新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」は8月4日より27日まで新橋演舞場にて上演