「この世界の片隅に」松本穂香が主演!ひよっこ女優がオーディション勝ち抜く
7月からTBSの日曜劇場枠で放送されるドラマ「この世界の片隅に」で、ヒロイン・すず役を女優の松本穂香が務めることが3日、緑山スタジオで行われた取材会で発表された。約3,000人というオーディションの中から、すず役を射止めた松本は「受かったと聞いたときは、うれしいというよりポカーンとした気持ちでした」と率直な胸の内を明かした。取材会には、すずの夫・周作を演じる松坂桃李も出席した。
本作は、こうの史代の同名コミックをテレビドラマ化した作品。2016年に公開された劇場アニメ版ではのんがすずの声を担い、ロングランヒットを記録している。今回のドラマ版では連続テレビ小説「ひよっこ」などの岡田惠和が脚本、映画『いま、会いにゆきます』ドラマ「カルテット」などの土井裕泰が演出、音楽を「時をかける少女」以来、24年ぶりに民放連続ドラマを手掛ける久石譲が担当する。
5回に渡るオーディションを経て主演の座を勝ち取った松本は、岡田脚本で好評を得た連続テレビ小説「ひよっこ」で有村架純が演じたヒロイン谷田部みね子の同僚・青天目澄子役や、auのCM「意識高すぎ!高杉くん」に出演するなど売り出し中の女優。「事務所の方々もみなさん『よかったね』と言ってくださるのですが、最初は信じられないという気持ちであまり感情がわいてきませんでした」と当時を振り返りつつ「オーディションの時点からすずさんという女性をもっと知りたいという思いが強かったので、じわじわと『すずさんになれるんだ』という気持ちがわき出てきました」と続けた。
舞台は太平洋戦争まっただ中の昭和19年の広島県呉市。松本は「すずさんは普段から下駄を履いて生活している方なので、わたしもワンコの散歩や家の近所を下駄で歩いたりして準備をしています」と役作りについてコメント。松坂は「1年前に映画(『孤狼の血』)の撮影で呉にいたのですが、方言というのは最初は壁に感じるのですが、しっかり向き合うと味方になってくれる瞬間があります。呉の方が聞いても『大丈夫』と思っていただけるようにがんばりたいです」と気合十分で撮影にのぞむ意欲を見せた。
松本と松坂は本作が初共演となるが、松坂は「雰囲気がすずさんに似ていて、ぴったりだなと思いました。本人は『緊張しています』と言っていますが、こちらから見ていると緊張しているようには見えず、肝がすわっている女性だなと感じています」と松本の印象を語る。松本も「家族で『周作さんは松坂さんがピッタリだね』と話していたら、本当に松坂さんになると聞いてビックリしました。本当にピッタリです」と笑顔を見せた。
松本は「このドラマを観た方が、それぞれの大切なものを考えるきっかけになればいいなと思っています。戦時中の話で正直大変なこともあると思いますが、すずさんのように明るく前向きに精一杯頑張ろうと思っています」と意気込みを語っていた。(磯部正和)