スピルバーグ新作でごっこ遊び!キャスト陣がVR世界の演技を語る
スティーブン・スピルバーグ監督が手掛ける新作『レディ・プレイヤー1』(公開中)で、主人公・ウェイド役のタイ・シェリダンとヒロイン・サマンサ役のオリビア・クックが、出演の喜びと共に、本作の重要な要素となる、現実と仮想現実(VR)という2つの世界を舞台にした演技について語った。
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『レディ・プレイヤー1』は、誰もがなりたい自分になれるVR空間「オアシス」を舞台に、創設者の遺した56兆円相当の財産をめぐる争奪戦を描く冒険ファンタジー。ウェイドたちは27年後の荒廃した未来に暮らしており、VR世界では全く違うアバターの姿となって、2つの世界を行き来する。そのため、タイはウェイドと彼のアバター・パーシヴァルを、オリビアはサマンサと彼女のアバター・アルテミスをそれぞれ演じ分けた。
2つの世界のキャラクターを演じたことについて、オリビアは「オアシスでは、なりたい自分になれるために見栄を張ったりすることもあります。しかし、現実世界ではどこかもろさだったり、静かな部分が露呈するんです」とその違いに言及。一方のタイは「今作でウェイドは、仮想世界で会った相手に『愛してる』と告白する場面があります。もちろん、相手側からは本当の自分を知らないのに……と反論されるけど、今の社会では(お互いの顔を知らないまま)SNSで知り合ってデートに発展することがありますよね。現実世界とかけ離れてはいないかな」と語る。
オアシス内のシーンでは、俳優の動きをCGキャラクターに反映するモーションキャプチャーが用いられた。オリビアは「セットも衣装も、メイクもないので創造力だけを頼りにするしかないのです」と説明。彼女が演じるアルテミスは、劇中のレースシーンで、日本を代表するアニメ『AKIRA』に登場する金田バイクに乗って疾走するが「動かないバイクに乗って演技をしなければならないので大変でした」とVR世界を再現する難しさを明かした。
時には、何もない空間で演技をしなければならないことから、撮影中にオリビアは「つい口で『ピューン!』とか言ってしまうんです」とアクションに合わせて擬音を発してしまったと告白。続けてタイは「スピルバーグ監督の作品でしていることは、子供のごっこ遊びのようで、『僕たち何してるんだろう?』って思いましたね」と笑顔。同時に「今までのキャリアで一番大きな経験です。毎日仕事に行くのが楽しく、ワクワクしました」と嬉しそうに語った。
ちなみに本作は、『AKIRA』をはじめ、日米のポップカルチャーの引用が多数散りばめられており、デロリアン、T-レックス、キングコング、ガンダムなどが登場することも話題となっている。『君の名は。』が一番好きな日本映画というタイは、劇中で「人生で一番印象に残っている作品」という『アイアン・ジャイアント』との共演に大感激だったそう。「自分の演じるアバターが、アイアン・ジャイアントの隣に立つシーンは、本当に感慨深かったですね」と笑みを見せた。(編集部:倉本拓弥)