些細な口論が国を揺るがす騒動に…実体験に基づくアカデミー賞候補作8.31公開
第90回アカデミー賞外国語映画賞ノミネートされた『ジ・インサルト(英題)/The Insult』が『判決、ふたつの希望』の邦題で、8月31日よりTOHOシネマズ シャンテを皮切りに全国順次公開される。クエンティン・タランティーノ監督のアシスタント・カメラマンを務めたレバノン出身ジアド・ドゥエイリがメガホンを取り、人種も宗教も異なる2人の男性の間で起きた些細な口論が、やがて裁判沙汰となり国を揺るがす騒動に発展していくさまを描き出す。本作の公開に合わせ、8月上旬に監督の来日も決定した。
監督自身の実体験をもとに作られた本作は、キリスト教徒のレバノン人男性とパレスチナ難民の男性の間に起きた些細な口論が、ある侮辱的な言動をきっかけに裁判に発展。メディア報道も白熱し、国を巻き込む騒動となっていく。
本作は、レバノン国内で3週連続1位のヒットを記録。第90回アカデミー賞ではレバノン史上初となる外国語映画賞ノミネート、第74回ベネチア国際映画祭では主演俳優の一人であるカメル・エル=バシャがパレスチナ人として初めて男優賞を受賞した。
監督のドゥエイリは内戦下のレバノンで育ち、20歳で渡米。タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』(1991)、『パルプ・フィクション』(1994)、『ジャッキー・ブラウン』(1997)などにアシスタント・カメラマンとして参加。カンヌ国際映画祭監督週間で上映された『西ベイルート』(1998・日本劇場未公開)で監督デビューし、長編第3作『ジ・アタック(原題)/ The Attack』(2012・日本劇場未公開)ではサン・セバスチャン国際映画祭審査員特別賞受賞ほか各国の映画祭で高い評価を受けた。(編集部・石井百合子)
映画『判決、ふたつの希望』は、8月31日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開