ディーン・フジオカ、太賀の愛されぶり明かす インドネシアで大人気
俳優のディーン・フジオカが26日、テアトル新宿で行われた映画『海を駆ける』(公開中)の初日舞台あいさつに登壇し、共演者の太賀がスタッフの間で人気者となり、なんとかインドネシアで成功できないかという話が進められていたことを明かした。舞台あいさつには阿部純子、セカール・サリ、鶴田真由、深田晃司監督も出席した。
『淵に立つ』で、第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員賞を受賞した深田監督が、7年の歳月を費やして作り出した本作。海で倒れているところを発見された正体不明の男ラウ(ディーン)が起こす奇跡を描くファンタジードラマとなる。
ディーンの妻や子どもたちはインドネシア在住で、かつ自身もインドネシアで活動していたこともあり、流ちょうなインドネシア語で「こんにちは。わたしはラウです。とフェイントをかけながらも、ディーン・フジオカでした。皆さんとお会いできてうれしく思います。今日はありがとうございます」とあいさつすると、女性の多い客席からは大きな拍手が。その後も深田監督を含めた登壇者それぞれがインドネシア語であいさつを行うなど、和やかなムードで進められた。
本作のロケは、およそ1か月にわたってスマトラ島北端の港町バンダ・アチェで行われた。その様子を「(インドネシアの人たちと)みんなで元気に歌って踊って楽しんでいましたね。でもこちらには太賀・マンジャがいますからね」と紹介したディーン。太賀いわく「マンジャ」とは「甘えん坊」という意味だそうで、太賀は現場スタッフに大人気だったのだとか。共演したセカールも「(太賀の顔を見て)笑いをこらえるのが大変だった」とクスクス笑いながら振り返っていた。
そんな太賀の人気ぶりを、ディーンは「インドネシアのスタッフのみんなが、まずあそこのキャスティング会社のオーディションを受けた方がいいよとか、インドネシアでどうやったら太賀・マンジャが成功するかということを真面目に考えていた。それくらいに彼は現場のマスコットでしたね」と証言。
太賀は「ちょっとでもいけるんじゃないかと思った自分を反省していますけども。まずは日本で頑張ろうと思いました」と笑ってみせたが、深田監督は「この映画がインドネシアで公開されたら、インドネシア語がペラペラの日本人がいるんだということで、オファーされますよ」と太鼓判。ディーンも「ご飯を食べるさまとかもね。どうでした?」と問いかけると、場内から大きな拍手が送られた。指を使ったご飯の食べ方はディーンが太賀にレクチャーしたそうで、観客の拍手に満足げなディーンだった。
本作はインドネシアはもちろんのこと、フランス、中国、台湾でも公開が決定している。ディーンは「この作品は観た人それぞれの価値観、人生観、死生観などが問われる作品。観た人同士で語り合うことでこの作品の面白さは深まっていくし、海を越えて違う意見を交わすことができる。まずは5か国ですが、この作品がさらに海を越えて、駆けていけるよう応援お願いします」と呼びかけていた。(取材・文:壬生智裕)