筧利夫主演『第二警備隊』がモントリオール世界映画に正式出品
映画『第二警備隊』初日舞台あいさつが16日に都内で行われ、同作がモントリオール世界映画に正式出品されることが発表された。主演の筧利夫は、モントリオール行きを熱望した。
イベントには筧のほか、出合正幸、竹島由夏、伊藤つかさ、伊吹剛、柿崎ゆうじ監督が出席。実際に警備会社を経営する柿崎監督が体験した壮絶な事件をモデルにした本作は、政治団体を隠れみのにする指定暴力団の嫌がらせを受ける依頼者を守るため、命懸けで戦った身辺警護員たちを描いたドラマとなっており、柿崎監督も「とにかくリアルにこだわって脚本・演出を行った」と振り返る。
大勢の観客で埋まった場内を見渡した筧は「撮影から2年の歳月を経て、本日、無事に公開することができまして。首を長くして待っておりました。この映画が掲げている心意気が多くの方に伝わることを祈っております」と晴れやかな表情。先日行われたニース国際映画祭2018では出合が外国語映画最優秀助演男優賞を、さらにロンドン国際フィルムメーカー映画祭では柿崎監督が外国語映画最優秀編集賞を獲得したものの、自身は主演男優賞を惜しくも逃してしまったことを受けて、「彼らは賞をいただいていますからね。俺にもくれ!」と語り、会場を沸かせた。
そしてこの日は、本作がモントリオール世界映画祭にも正式出品されることを発表。柿崎監督も「映画祭は、その国の実行委員が観てくれるものなので、この映画に共感してもらえたことがうれしいですし、この映画に出てくる隊員の思いが伝わればいいなと思います」と意気込みを語った。
構想17年となる本作の公開に「(実際の)事件から19年たちます。今日初日ということで、ようやく観ていただける機会ができて感無量ですし、なぜだか分かりませんが、あの時に思った『映画にしたい』という思いが達成できて感無量です」とコメントする柿崎監督は、「いろいろなことを思い出しますが、わたしも実際にそこにいたんで、ものすごく心が重いですね。今でも熱いものがこみあげてきますし、深い悲しみがいまだに鮮烈に残っています」とその思いを吐露した。
柿崎監督の、仲間たちへの熱い思いが貫かれた作品だけに、そのこだわりは並大抵のものではなかったと振り返った筧。それに対して柿崎監督も「一度、初号試写をやってから、改めて画面の中のちょっとした色も全部やり直しましたし、音もよりクオリティーをアップさせました」と説明した。筧はその新しく作り直したバージョンは観ていないとのことで、「新しいものはモントリオールで観ます!」とコメント。実際に彼がモントリオールに行くかどうかは未定であるものの、参加を熱望していた。(取材・文:壬生智裕)
映画『第二警備隊』は新宿武蔵野館にて2週間限定公開中(6月30日からはシネ・リーブル梅田にて2週間限定公開)