沢尻エリカ、瞳うるませ感激…『猫は抱くもの』は役者人生の中で大切な作品
女優の沢尻エリカが、23日に都内で行われた映画『猫は抱くもの』の初日舞台あいさつに登壇。本作に携われた喜びに瞳を潤ませると、「役者人生の中で大切な作品になりました」と語った。イベントには吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、犬童一心監督も出席した。
妄想好きの元アイドルの沙織(沢尻)と、自分を沙織の“人間の恋人”だと思い込んでいる猫(吉沢)が、自分らしい生き方を見つけていく本作は、先日上海国際映画祭のコンペティション部門でも上映された。沢尻が「中国の方の熱量がすごくて、うれしかったです」と声を弾ませるほど好評だったという。
夢を諦めきれないアラサー女性を演じた沢尻は、「30代女性は仕事やプライベートでも考えることや悩むことがある時期だと思うので共感できることは多く、自然体でできました」と撮影時を回顧。猫の役であるため、稽古中に沢尻に近づくことが多かった吉沢は、嫌がられたらどうしようという不安があったことを明かしつつ、「沢尻さんの僕を見る目が完全にペットを見る目だったので、受け入れてくださったという安心感があって甘えっぱなしでした」と感謝した。
終始笑顔で、本作に携わった喜びをのぞかせる沢尻だが、犬童監督からサプライズレターをもらうと一転、瞳に涙をあふれさせた。手紙には「真っ直ぐで危険な(瞳の)光に観る者は魂を揺さぶられ、がばっと噛みつかれ、物語に引きずりこまれてしまう」と女優力を絶賛すると共に、「女性が生きにくい時代に自分の生き方で立つその立ち姿に、多くの女性たちが励まされることでしょう。いつまでもそうあってください。ちょっと大変だけど」とエールがつづられており、沢尻は「うれしいです」とにっこり。
しかし、沢尻の表情はすぐに崩れ、「すごくいい現場だったなって……。お芝居はやるだけじゃなくて、現場でみんなで作って行くものだなと改めて感じて……」と声を詰まらせながら吐露すると、「役者人生の中で大切な作品になりました」と感慨で胸をいっぱいにした。そして、『ヘルタースケルター』以来6年ぶりの映画主演を本作で務めた沢尻は、犬童監督から「もっと映画に出てください」と伝えられると、「頑張ります」と力を込めた。
この日は、6月24日の犬童監督の誕生日をサプライズで祝福する場面もあり、ケーキとバースデーソングを贈られた犬童監督は、「これを思い出に余生を過ごせたら」と感激しきりだった。(取材:錦怜那)