大杉漣さんに橋田賞特別賞 息子・隼平、言葉を詰まらせる
18日、都内で行われた第26回橋田賞授賞式で、今年2月に急性心不全のため急逝した名優・大杉漣さんに特別賞が贈られ、大杉さんの長男で写真家の大杉隼平が出席。大杉さんが生前、大切にしていた思いや、人となりを言葉を詰まらせながら語った。
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橋田賞は、放送文化に貢献し、日本人の心や人と人のふれあいを温かく取り上げてきた番組と人に対して顕彰助成する賞。「『相棒』をはじめ、さまざまな役柄において独自の存在感ある演技と誠実な人柄で多くの仲間や視聴者に広く愛され、長く記憶にとどめるともにその功績を称える」という理由で、亡き大杉さんに特別賞が贈られた。
大杉さんの写真を抱えて登壇した隼平は「あまりにも突然のことだったので、僕自身もすごくびっくりしました」と当時を振り返り、「父は現場に行くのが大好きな人でした。現場に行くことによってみなさんからパワーをいただいて、一つ一つの現場を楽しんでいる姿を僕も見ていました」と語ると、言葉を詰まらせた。
続けて「僕を励ますために話していたのかもしれませんが『いつになっても不安と隣り合わせだよ。でも、一人でも多くの人に観てもらうために、みんなと力を合わせて、一生懸命ものづくりをするんだよ』と語っていました」と大杉さんの人柄が伺えるような言葉を紡ぐと、「僕にとっては父であり、親友のような人でした。そんな父がこんな素晴らしい賞をいただいたことを誇りに思います。ありがとうございました」と深々と頭を下げた。
隼平の言葉を聞いていた主催者の橋田壽賀子は「わたしは大杉さんという俳優さんが、大変好きなんです」と大杉さんの思い出に言及。「実を言いますと、わたしの自分史のドラマ(2012年、TBS系で放送のスペシャルドラマ『妻が夫をおくるとき』)をやったとき、大杉さんがわたしの主人の役を演じてくれたんです。実際の主人より、とっても素敵な主人でした。一番思い出に残っている俳優さんです。この賞をもらっていただいてありがとうございました」と感謝の言葉を送っていた。(磯部正和)