竹内涼真、大ブレイクも満足しない!向上心の裏にあるもの
2017~18年、もっとも飛躍した俳優の一人として大きな注目を浴びた竹内涼真。最新作『センセイ君主』では、竹内と共に第41回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞した浜辺美波をヒロインに迎え、冷徹でひねくれ者の数学教師を好演した。誰が見ても“大ブレイク”といえるほどの活躍をしているが、本人は「もっと」と飽くなき向上心を見せる。そこには竹内が考える、ある強い思いが見え隠れしている。
連続テレビ小説「ひよっこ」や「過保護のカホコ」、さらには日曜劇場「陸王」や「ブラックペアン」など、主演ではないものの、非常に印象深いキャラクターを演じ、存在感を示してきた竹内。メディア露出も増え、爽やかかつ「やるならばトップを目指したい」としっかり自身の思いを述べる男らしさは大いに話題になった。
まさに“大ブレイク”という言葉がぴったりくる竹内の活躍だが「あまり自分の活動は分析していませんが」と前置きをしつつも「例えば『センセイ君主』のイベントに800人の方が来てくださったなら、さらにもっとたくさんの人に観てもらいたいと思うタイプなので、満足することはありません」とキッパリ。
その向上心の裏には、一つ一つの作品に対する強い思いがある。「撮影って大変なんです。もちろん俳優だけではなく、監督さんスタッフさんをはじめ、とてもたくさんの人が良い作品を作ろうと頑張っている。だから、出来上がったことで満足していたらもったいない。一人でも多くの人に観てもらいたいんです」と心情を吐露する。
竹内が注目されればされるほど、彼が出演している作品を「観てみよう」という人が増える--。そのためにはプロモーション活動にも精力的に挑む。「もともと、テレビに出たりすることが好きということもありますが、俳優の仕事は、撮影から宣伝活動までがワンセットだと思っています。もちろん苦手なこともありますが、いろいろアピールすることによって、たくさんの人に観てもらえるならば、こんなにうれしいことはないですよね」
一方で、「伝えようと思ったことが、わかりやすく相手に届いているのかなと疑問に思うことがあります。まだまだ硬いなと感じることもあるし、自分の言葉でしっかり話ができていないと落ち込むこともあります」と課題をあげる。
本作についても「観客の皆さんの中でなんとなく“少女漫画といえば”というイメージや概念ができてしまっている気がしていたんです。でも、『センセイ君主』は、そんなイメージを覆す少し違った作品に仕上がっていると思います。『また少女漫画原作の壁ドン、顎クイとかでしょ』という先入観を持ってしまっている人にも観ていただけるように宣伝を頑張らないといけない」と真摯(しんし)に語っていた。(取材・文:磯部正和)
映画『センセイ君主』は8月1日より全国公開