フライング・ロータス、日本愛を語る!『KUSO』ジャパンプレミア
映画『KUSO』のジャパンプレミアが16日、都内で行われ、本作の監督であり現在来日中のフライング・ロータスが登壇した。
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本作は、音楽プロデューサーなどの肩書を持つロータスが、スティーヴ名義で監督を務めた異色作。ロサンゼルスで大地震が起きた後、奇病が流行し、カオスと化した世界で生きる人々の姿をグロテスクに描写する。
映画が衝撃的な内容だけに、上映後は静まり返っていた館内。そんな雰囲気の中登壇したロータスは、客席を見回し「どうでしたか。でも、これはみんなのために作った映画ですよ。本当ですよ」と照れ笑い。「ずっと昔から日本の映画にインスパイアされてきたんです。北野武さんや塚本晋也さんは僕の中ではヒーロー。今回この映画を作ることで、日本の映画から受けたインスパイアに、ある意味恩返しができたと思います」とコメント。
2008年の初来日以来、日本には何度も訪れているというロータス。「びっくりだよね。初めて来てもう10年。子供のころから日本のカルチャーが大好きだったんです。ラーメンからアニメまで。僕にとっては故郷のような場所だと思っています。素晴らしいアーティストもたくさんいるしね」と日本愛を告白した。
本作のタイトル『KUSO』も、日本語からとったという。ロータスは「アメリカでは誰も意味がわからないから、何も問題ないだろうって。自分にとってはいろんな意味合いを表現する言葉だと思っているんです。観る人にいろんな問いかけがあっていい。映画ってそういうものでしょう」とにっこり。
アニメに関しても「ドラゴンボール」をはじめ、好きな作品がたくさんあるといい、「発想がそもそも違う。『新世紀エヴァンゲリオン』とか、日本人でしか作れない発想が好き。アメリカにもああいう美しい作品はあるけどやっぱり違う。日本のアーティストは先見の明がある」と日本のクリエイターのすばらしさにも言及。
そんなロータスは次回作にも意欲的で、既に執筆中の脚本があるという。「今作とはまた違ったクレイジーな作品。マインドの中の出来事を描いた相当イっている作品になると思います」と嬉しそうに構想を語っていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『KUSO』は8月18日より渋谷・シネクイントにて1週間限定レイトショー