『MEG ザ・モンスター』映画化は20年越し、原作者が明かす
ジェイソン・ステイサム主演、話題の海洋パニック映画『MEG ザ・モンスター』(9月7日 日本公開)について、原作者のスティーヴ・オルテンが、8月17日(現地時間)電話インタビューに応じた。
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本作は、絶滅した超巨大ザメがよみがえり、人々を恐怖に陥れる海洋パニックアクション。マリアナ海溝を超える深海が発見され、探査チームが最新の潜水艇で調査に乗りだすが、突如巨大な何かの襲撃を受け、動けなくなってしまう。深海レスキューダイバーのジョナス・テイラー(ジェイソン)が助けに向かうと、200万年前に絶滅したはずの超巨大ザメ、メガロドンが出現する。映画『魔法使いの弟子』『ラストベガス』のジョン・タートルトーブが監督を務めた。
原作が出版される前の1996年に、ハリウッド・ピクチャーズが映画の版権を獲得していたそうだが、脚色がひどかったり、社長が解雇されたりで、版権がスティーヴの元に戻ってきたという。「しばらくして2004年~2005年には、ギレルモ・デル・トロが製作、ヤン・デ・ポン監督予定で再度企画が立ち上げられ、ニュー・ライン・シネマに持ち込まれたんだ。けど、彼らが雇った脚本家は、僕の書いた原作を無視して、まったく別の脚本を書いてきたんだ。結局、製作は断念され、版権は再び僕の元に戻ってきたよ」。
そこで、今度は映画『その土曜日、7時58分』の製作者であるベル・アヴェリーに版権を渡したそうだ。「僕らは原作に沿った脚本を書き、その間に1億ドル以上の予算を集めるために、中国のGravity Picturesに持ち込み、彼らが、(世界配給のために)ワーナー・ブラザースにこの企画を明け渡してくれたんだ」と紆余(うよ)曲折の製作過程を語った。
ジェイソンのキャスティングについては、「ワーナーから、彼を主演候補に挙げていると告げられたとき、僕は彼らに『絶対、ジェイソンを主演にすべきだと』と頼み込んだんだ。彼ならきっと素晴らしい演技を披露してくれると思ったからね。実際に彼は僕の予想を超える演技を披露してくれたよ!」と感謝した。
スティーヴが古代の超巨大ザメ、メガロドンに興味を持つようになったきっかけは、15歳のときに観たスピルバーグ監督の『ジョーズ』だという。「その興味からピーター・ベンチリーの原作も買って読んだんだ。それから、ホオジロザメが人を襲ったことに関するあらゆる記事や書物を読みあさった。その際に、現在のホオジロザメの同属とされる古代ザメ、メガロドンの存在を知ったんだ」。20年後、35歳のときにマリアナ海溝のチャレンジャー海淵で無人探査機の「かいこう」が最深部に到達し、そこから生物を持ち帰った話を記事で読んだことで、過去に読んでいたサメのストーリーに回帰して、この原作を手掛けることになったそうだ。
また、イアン・フレミングの『007』シリーズや、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』が好きで、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』や、フランク・ハーバートの『デューン』シリーズなどにも影響を受けていると明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)