棚橋弘至を圧倒した寺田心のトーク力
新日本プロレスのプロレスラー・棚橋弘至と名子役の寺田心が22日、TOHOシネマズ新宿で行われた映画『パパはわるものチャンピオン』（9月21日公開）の完成披露舞台あいさつに出席。プロレスのリングではトークを噛みがちなキャラクターでも親しまれている棚橋と、子役ながら大人顔負けのトークスキルで知られている寺田がほっこりとした掛け合いを繰り広げ、会場を笑いに包んだ。イベントには木村佳乃、仲里依紗、藤村享平監督も登壇した。
本作は板橋雅弘・作、吉田尚令・絵の「パパのしごとはわるものです」「パパはわるものチャンピオン」の実写映画化作品。かつて人気レスラーだったものの今は悪役覆面レスラーとして嫌われ者に徹する大村孝志（棚橋）と、友人たちにパパは人気レスラーとウソをついてしまう9歳の息子・祥太（寺田）との葛藤、絆を描く。
ステージ上にリングが設定され、プロレスさながらの演出で入場した棚橋は「経験したことのない初めてのことが多かったので、手探りな状態で臨んだのですけど」と映画主演を振り返り、「監督の配慮で心くんと過ごす時間をたくさんとってもらって、演技レッスンもあり自分の中ではできる限り準備をして撮影に臨みました」と晴れやかな表情。
続いて、寺田が大人顔負けのあいさつで会場を沸かせると、MCがすかさず比較して棚橋の噛み癖をいじる場面も。これに寺田が「こないだもイベントの大事なところでちょっと噛んでいました」と突っ込みを入れると、棚橋は「祥太、そういうことは言うなよ……」と劇中の父子さながらのやり取りを見せ、会場はほっこりムードに。
撮影エピソードを語る際も寺田は「監督さんは終わった後に褒めてくださるのがすごくうれしいのと、仲さんはお芝居の時に笑いそうになってしまうくらいお芝居が上手な方で、頑張って我慢しないと……と思っていました」とここでもハキハキと完ぺきなトークを披露。観客から拍手が起こると、棚橋は「クランクアップは二人のシーンが最後で、心くんはしっかりとあいさつをして、僕は泣いてしゃべれなくなったことがありました」と振り返り、「いっぱい盗むところはあります」と目を細めていた。
イベントの最後には、棚橋が撮影時40歳だったことを振り返り、「プロレスでベテランと言われるキャリアを積んできた中で、40歳を迎えてこんなにも一生懸命やれることがあるのかと驚きがあって、毎日全身全霊でやりました。楽しんでください！」と観客にアピールしていた。（取材・文：中村好伸）