高橋一生、自分と似すぎている主人公演じる難しさ
俳優の高橋一生が、10月9日スタートの主演ドラマ「僕らは奇跡でできている」(カンテレ・フジテレビ系)のマスコミ向け取材会に出席し、演じる“変わり者”の主人公へのアプローチや、主演として撮影現場に向かう姿勢について語った。大河ドラマ「おんな城主 直虎」、TBS系ドラマ「カルテット」、月9「民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~」、朝ドラ「わろてんか」など近年、多くのテレビドラマに出演した高橋だが、民放ゴールデン・プライム帯(午後7時~11時)では本作が初の連続ドラマ主演となる。
本作は、動物行動学を教える大学講師・相河一輝(あいかわ・かずき)の日常をコミカルに描くドラマ。自分の興味や好きなことに熱中するあまり、職場のルールや空気を読むことができない一輝が、周囲の常識や価値観を揺さぶっていく。共演に榮倉奈々、要潤、児嶋一哉、西畑大吾(関西ジャニーズJr.)、矢作穂香、北香那、広田亮平、田中泯、阿南健治、戸田恵子、小林薫ら。
自身も物事に没入してしまうタイプで、「役として見られないくらい自分に似ている」と一輝役への愛着をうかがわせた高橋。「(僕も)生き物にすごく興味があるので、自分の楽しみを投影しすぎてしまうと、役と地続きになって、一輝が僕になってしまう。差異やバランスを意識するようにしています」と似ているゆえの難しさを漏らし、「人をイライラさせるところ、僕にも多々あります」と自身のプライベートにも言及。「友人と遊ぶ日に仕事が入ってしまったり。ここ最近でも結構やっています。周囲からは非難轟々。そういうときは平謝りです」と意外な側面も明かす。
さらに「僕は話が長いんです(笑)。そんなところも、プロデューサーの豊福(陽子)さんは、僕がこの役に適任だと思ってくださったんじゃないでしょうか」と笑う高橋は、「一輝がどんなに他人をイライラさせようが、僕だけは彼をかばってあげられるようにしていくことが、すごく大事だと思います。人間本来の勝手さが、実は愛嬌があって可愛らしく見えたり、『豊かな人生を送っているな』と思えるようにしたい」と似た者同士を演じる意欲を見せる。
撮影は、8月末にクランクイン。ロケ現場で高橋は、共演のヘルマンリクガメの行動に感動をおぼえたそうで微笑ましいエピソードを披露。「ジョージというカメが登場するんですが、この子が好奇心旺盛で、とにかく可愛くて。僕がカゴから出した瞬間に、まったく物怖じせずに、グイグイ前に進んでいくんです。もう見習いたいくらい。やっぱり好奇心って大事だ、好奇心にすべてがつまっていると(共演の)田中泯さんとも話したんです」
記者から「ゴールデン・プライム帯初主演への意気込みは?」と声がかかると、高橋は「これまでと変わらず、今まで通り、浮き足立たないように。『これは面白くなるぞ』という空気が現場に広がっているのは、スタッフの方々を見ているとわかるんです。それを現場で共有して『この人を起用してよかった』という皆さんの思いに答えていくのが、自分のスタイル。今のところ、それは間違っていなさそうなので、これまで通りに行けたらと。意気込んでいるかどうかは、みなさんが判断してくれればいいと思います」と人々を魅了する演技の秘密を話していた。(取材・文/岸田智)
ドラマ「僕らは奇跡でできている」は10月9日よりカンテレ・フジテレビ系にて放送スタート(毎週火曜21時~21時54分・初回20分拡大)