『アントマン&ワスプ』はなぜシビル・ウォー後が舞台なのか 監督が語る
マーベルスタジオ最新作『アントマン&ワスプ』のペイトン・リード監督が、本作の製作秘話や、女性ヒーローを描くことへの心境について語った。
身長1.5cmになれるスーツに身を包んだヒーロー”アントマン”ことスコット・ラングの誕生を描いた前作から3年。本作は、先日公開された『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以前の、アベンジャーズ同士がバトルを繰り広げた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』後の世界を舞台に、彼と新たな相棒ワスプことホープの活躍を描く。
続編の舞台に『インフィニティ・ウォー』以前の時間軸を選んだ理由についてリード監督は「あの物語の後を舞台にすると、人々が混乱に陥って大変ですからね(笑)」と苦笑。同時に、『シビル・ウォー』でアントマンが、彼にスーツを与えたハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)に無断で、キャプテン・アメリカの助っ人としてアイアンマンたちと戦闘を繰り広げたことが「無視できなかった」と語る。
「スコットが無断でスーツを持ち出してアベンジャーズと戦ったことは無視できなかった。私が『シビル・ウォー』のラフカットを見た時に感じたのは、ハンク・ピム博士と娘のホープが(スコットに対して)どういう心境を抱いているのかということでした。もちろん怒りですし、裏切り行為とも捉えられるでしょう。これが、本作のスタート地点として適しているなと思いました」
続編の制作は前作の公開からすぐに決定し、タイトルも『アントマン&ワスプ』になることは、主演のポール・ラッドやワスプを演じたエヴァンジェリン・リリー、マーベルスタジオ社長ケヴィン・ファイギも同意していたという。それだけに本作は、アントマンとワスプという、2人のヒーローの物語をより深く掘り下げることに注力している。
特に監督は、ワスプという新ヒーローを描くことに「ワクワクしていた」といい、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する他の女性ヒーローと何が違うのか、エヴァンジェリンと話し合ったことを告白。「ブラック・ウィドウやスカーレット・ウィッチと違うのは、ワスプは家業であること」と“家族”という要素がワスプというヒーローを形成していると分析している。
MCUにおけるアントマンとワスプの今後について監督は「2人がパートナーとして本格的な活躍を見せるのは本作でもほんの少しです。なので今後は、この2人をもっと深く描ければいいな」と語る。そのため、同作に続く第3弾が実現すれば、語りたいストーリーは山ほどあるとのこと。他のMCUキャラクターの登場にも期待したくなるが「まだ話し合ってはいないけど、それが実現することを願っています」と笑みを浮かべた。(編集部・倉本拓弥)
映画『アントマン&ワスプ』は全国公開中