ADVERTISEMENT

サンダンス映画祭で注目!盗みで生計を立てる3兄弟の物語、監督らが語る

左から、ラウル・カスティロ、ジェレマイア・ゼイガー監督
左から、ラウル・カスティロ、ジェレマイア・ゼイガー監督

 今年のサンダンス映画祭に出品された映画『ウィ・ジ・アニマルズ(原題)/ We the Animals』について、ジェレマイア・ゼイガー監督と俳優のラウル・カスティロが、8月17日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【画像】サンダンス映画祭といえば、この方!

 ジャスティン・トーレスの同名小説(邦題「動物のように、僕らは」)を映画化した本作。ニューヨーク州北部に住むプエルトリコ人アーティストの父親(ラウル)と白人の母親(シーラ・ヴァンド)のもとで育った3兄弟のマニー、ジョエル、ジョナは、貧しいながらもごく普通の生活をしていた。だがある日、父親が母親とけんかし家を出て行くと、母親はベッドに寝込んだまま、子供の食事さえも作らなくなってしまう。3兄弟は知恵を働かせ、盗みをしながら生活していく。

ADVERTISEMENT

 ゼイガー監督は、本屋でオススメの作品として置かれていた原作の1ページを読んだだけで、これまで読んだ本の中でベストな内容だと思ったという。「(カフェ併設の本屋で)買わずにこの本をカフェで読んだ後、結局、自分の分だけでなくたくさん買って、知人や製作パートナーにもこの本を送ったよ。その後、原作者のジャスティンの連絡先を手に入れて直接会ってみると、その時点で、彼はいくつかのハリウッドのオファーを受けていたんだ。だけど、ふざけた内容のオファーばかりだったようで……。僕は『君の本をそのまま映画化したい』と彼に伝えたんだ」。これをきっかけに映画化が実現。ジャスティンは撮影中や編集中も参加していたそうだ。

 今作は子供の観点で描かれ、クローズアップのシーンも多い。その理由は自身のバックグランドに関係しているとゼイガー監督は語る。「僕にとって映画製作は、全て(人間同士の)親密さにあると思っているんだ。僕のバックグラウンドはドキュメンタリーで、ドキュメンタリー製作はある意味、キャンプファイア体験みたいなものだと思っている。人はキャンプファイアの周りに立つと、それまで過去に話してこなかったことを語ったり、子供の頃に回帰したり、泣いたりして、みんながそれぞれの思いを共有する。僕は(今作で)、そんなキャンプファイア体験するような人々を描いてみたかったんだ」。実際にキャンプファイアのような体験をさせるために、出演者には、しばらく一緒に住んでもらったそうだ。

ADVERTISEMENT

 俳優経験のない3兄弟の子役と仕事をした父親役のラウルは、「クルーの誰もが、この3人兄弟を好きになり、セットでは、まるで彼らの代理の両親のような存在だったんだ。中でもジョナを演じたエヴァン・ロザドは、可愛らしい感覚を持っていて、カメラがしっかりそれを捉えているんだ。だから僕と妻役のシーラは、この3人兄弟の演技を見て、ずっと驚かされていたよ」と振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT