『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に続いて『ファントム・スレッド』が3度目の受賞
現地時間9月21日にスペイン・バスク地方で開幕した第66回サンセバスチャン国際映画祭のオープニングセレモニーで国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞の年間グランプリの授賞式が行われ、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ファントム・スレッド』に贈られた。現地入りしなかったアンダーソン監督の代わりに、スペインの配給会社のユニバーサル・ピクチャーズ代表が記念のトロフィーを受け取った。
同賞は国際映画批評家連盟に加盟する批評家の投票によって選ばれるもの。今年は2017年7月1日以降の上映作品を対象に、473人が参加した。1回目の投票で『ファントム・スレッド』、マーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』(2017)、本年度のカンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したパヴェウ・パヴリコフスキ監督『コールド・ウォー(英題) / Cold War』(2018)、アカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表のルクレシア・マルテル監督『ザマ(原題) / ZAMA』(2017)に絞られ、最終投票で決まった。
アンダーソン監督が同賞を受け取るのは、『マグノリア』(1999)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)に続いて3度目で、1999年の同賞開始以来、最多受賞者となる。
同賞はペドロ・アルモドバル監督『オール・アバウト・マイ・マザー』(1998)を皮切りに、ミヒャエル・ハネケ監督『白いリボン』(2009)、ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)など、その年の映画界を代表する作品に贈られている。(取材・文:中山治美)
映画『ファントム・スレッド』は北海道・シネマアイリス、福井・メトロ劇場(共に28日まで)など全国順次公開中