吉岡里帆コメディー映画ヒロイン抜擢の理由 プロデューサー明かす
今年「きみが心に棲みついた」(TBS系・1月クール)、「健康で文化的な最低限度の生活」(フジテレビ系・7月クール)などテレビドラマの主演が続き、人気絶頂の吉岡里帆が10月12公開の映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』でコメディーに挑戦。本作のプロデューサー、山野晃が吉岡のヒロイン抜擢の理由、女優としての魅力を明かした。
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吉岡が本作で演じるのは、声が異様に小さく何事にも逃げ腰なストリートミュージシャン・ふうか。阿部サダヲ演じる、世界的ロックスターにして長年の声帯ドーピングによって崩壊寸前のシンと絶妙な掛け合いを展開。「勇者ヨシヒコ」シリーズなどの福田雄一が監督・脚本を務めた映画『明烏 あけがらす』のヒロイン役でコメディエンヌとしての才能を開花させた吉岡が、テレビドラマ「時効警察」シリーズや映画『インスタント沼』(2009)などでオフビートな笑いを生んできた三木聡監督とタッグを組み、体当たりの演技を見せる。
三木監督がヒロイン役の女優に望んだ条件は、「これからますます輝きを増していくだろう人」。山野は「主演の阿部サダヲさんは、数々のコメディー映画でも主役を演じてきた本作の大黒柱のような人。その阿部さんと、真っ向から真逆のキャラクターで対峙する組み合わせとして、これからますます世に出てくるような勢いがある若い女優がいいと監督は考えたんですね。数字を持っているとか、ヒット作が多くて実績がある……という風に選ぶのはつまらないと」とその意図を語る。
キャスティングを考えていた最中に、テレビドラマ「カルテット」(2017・TBS系)を観た山野は、ライブレストラン「ノクターン」のアルバイト店員として働く元地下アイドルという設定の吉岡に注目。「高い演技力と強い個性のあるメインキャストの中で、脇役でありながら存在感を放ち注目を浴びていました。その前のクールで放送されていたテレビドラマ『ゆとりですがなにか』(2016・日本テレビ系)でも同様でした」
山野いわく、吉岡の魅力は「思い切りのよさと、引き出しの豊かさ」。『音タコ』のクランクイン前に、三木監督は約1か月にわたってほぼ全てのシーンのリハーサルを実施。吉岡演じるふうかは、泥まみれになって転んだり、頭から水浸しになったりするシーンもあり、「床をずーっとゴロゴロ転がり続けて」「○○みたいに踊ってほしい」「こんな変な声出る?」など風変わりな演出も多かった。しかし吉岡は「わたし、三木監督の作品が昔から大好きだったので、この現場が楽しくってしょうがないんです」と変わらぬテンションで乗り切ったという。
2017年からテレビドラマが続いた吉岡だが、今後、玉森裕太、染谷将太と共演する映画『パラレルワールド・ラブストーリー』の公開を来年に控え、多忙期はまだまだ続きそうだ。(編集部・石井百合子)