新千歳空港アニメ映画祭、北海道地震を乗り越え予定通り開催
9月6日に発生した北海道胆振東部地震により開催が懸念されていた第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭が11月2日~5日に予定通りに行われることがこのほど、主催の新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会より発表された。
地震以降空港内の施設は休業を余儀なくされていたが、上映会場のソラシネマちとせは10月6日より、エアターミナルホテルも11月1日から営業再開が決定し、映画祭ゲストを迎える体制が整った。
同映画祭は世界初の空港内映画祭として2014年にスタート。空港という立地とターミナル内の施設を最大限に活用しながら、今や世界の共通文化であるアニメーションを通しての交流、さらに「こども審査員」によるキッズ賞を設けるなど未来を切り開く取り組みにも挑んできた。2017年の第4回は4日間で、3万3,000人以上を動員している。
今年はコンペティション部門を拡大し、従来の短編コンペティションに加えて、長編コンペティションと学生コンペティションを設置したところ、短編コンペティションは過去最高の86の国と地域から2,043作品の応募があったという。だが最終選考をしている矢先に地震が起こり、映画祭業務も一時停止。道内も混乱していたことから、「こども審査員」募集の締め切りも9月14日から9月28日に延長した。
映画祭チーフディレクターの小野朋子さんは「5周年を迎える記念すべき年に大きな震災に見舞われ、新千歳空港をご利用のお客様につきましても、ご心配とご迷惑をおかけいたしました。映画祭も、業務が一時止まることがございましたが、その間、既に映画祭への参加が決定している国内外のゲストから心配と激励のメールを多くいただきました」と、感謝の言葉を述べた。
続けて「北海道の大部分や新千歳空港では復旧・復興が進み、観光客の受け入れには全く支障がない状況となっております。何より年一度の映画祭を楽しみにしてくださっている観客の皆様、海外ゲストに例年以上に、ご満足いただけるように準備を取り進めている最中です。今年は長編コンペティション、学生コンペティションを開設する重要な年ですので、今まで以上に張り切って皆様をお迎えいたします」と開催への思いを語った。
上映作品も1日に出そろい、長編コンペティション部門『フナン(原題) / Funan』と短編コンペティション部門『ブルーイストラート11(原題) / Bloeistraat 11』は共に本年度アヌシー国際アニメーション映画祭でクリスタル賞(最優秀作品賞)に輝いた話題作。またミュージックアニメーションコンペティション部門には、ぬQ監督が手がけた音楽ユニット・水曜日のカンパネラの『見ざる聞かざる言わざる』もノミネーションされている。(取材・文:中山治美)
第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭は11月2日~5日、新千歳空港ターミナルビルにて開催
■新千歳空港国際アニメーション映画祭公式サイト airport-anifes.jp
■新千歳空港ターミナルビルサイト new-chitose-airport.jp