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東京フィルメックス、コンペに柳楽優弥主演作など10作品 ウェイン・ワンが審査委員長に

映画祭ディレクター・市山尚三氏、奥山大史監督
映画祭ディレクター・市山尚三氏、奥山大史監督

 秋恒例のアジア映画の祭典「東京フィルメックス」第19回の上映作品が4日、都内で行われた「ラインナップ発表記者会見」で発表された。新進作家が賞を競うコンペティション部門には、是枝裕和監督の愛弟子、広瀬奈々子監督のデビュー作で柳楽優弥が主演を務める『夜明け』など10作品が出品された。

【写真】『スモーク』ウェイン・ワン監督が西島秀俊、ビートたけしらと組んだ映画

 アジア圏を中心に気鋭の映画監督たちの創造的な作品を支援することを目的に、2000年よりスタートした本映画祭。俊英・名匠の新作が並ぶ「特別招待作品」、新進作家の優れた作品を顕彰する「コンペティション部門」、そして独自企画で行われる「特集上映」などを主な柱としている。

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 「コンペティション部門」の審査委員長には『ジョイ・ラック・クラブ』『スモーク』などで知られるウェイン・ワン監督の就任が決定。今回初めてトルコ作品がコンペに選出され、日本からは是枝監督や西川美和監督の助手を務めてきた広瀬奈々子監督がオリジナル脚本でデビューを果たす『夜明け』が出品。『トルパン』(日本未公開)でカンヌ国際映画祭「ある視点」賞を受賞したセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督(カザフスタン)の新作『アイカ(原題)/ Ayka』や、ベネチア国際映画祭「オリゾンティ部門」最優秀作品賞を受賞したタイのプッティポン・アルンぺン監督作『マンタレイ』など10作品が最優秀作品賞及び審査員特別賞を競う。

 「特別招待作品」のオープニング作品は『3人のアンヌ』『自由が丘で』などの韓国人監督ホン・サンスの新作『川沿いのホテル』、クロージング作品は中国の名匠ジャ・ジャンクーの新作『アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(原題)/Ash Is Purest White』。イスラエルのアモス・ギタイの2作品のほか、豊田利晃が伝説のサーファーを追ったドキュメンタリー『PLANETIST』、篠崎誠監督が『あれから』『SHARING』に続き東日本大震災を題材にした『共想』などが上映される。

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 「特集上映」では、今年パリでも大規模な特集が組まれたイランのアミール・ナデリ監督(西島秀俊主演『CUT』など)の1970年代初期作品、新作『マジック・ランタン』などを上映。ナデリ監督の来日舞台あいさつも予定している。

 映画祭ディレクター・市山尚三氏は、今年の見どころを「フィルム・ノワール的なタッチの作品が多く集まっています。ウォン・カーウァイの影響が現れたのかもしれないし、犯罪絡みで、スタイルにこだわりながら社会や個人を描いていく面白い試みと言えるかもしれない」と説明。

 なお会見には、先ごろサンセバスチャン国際映画祭(スペイン)で、若干22歳でニュー・ディレクターズ賞を受賞した『僕はイエス様が嫌い』の奥山大史監督も登壇。映画祭での受賞を述懐し、「僕の作品はキリスト教に関わる内容なので、実際のカトリックの国(スペイン)でどんな反応か不安でしたが、イエスさまで遊んでいるようなシーンは『見たことがなさすぎて面白い』と、ウェルカムに迎えてくれました。年内は海外の映画祭の話をいただき、国内での上映は来年しっかり漕ぎ着けたい」と意欲を見せていた。本作は「特別招待作品」での上映が決定している。(取材・文/岸田智)

「第19回東京フィルメックス」は東京・有楽町朝日ホールほかにて11月17日~25日まで開催

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